「品質グレード」と「硬く締まった肉」

「店で売られている輸入牛は、アメリカ産とオーストラリア産が多いですよね。オーストラリア産はグレード表示(※1)されていることは少ないのですが、アメリカ産は『プライム』『コマーシャル』『チョイス』などのグレード表示(※2)がされていることが多いです。当然、グレードが高いプライムのほうが、チョイスよりも価格が張りますが、おいしい肉を選ぶ目安のひとつにはなるでしょう。

ただし、脂身が苦手で肉らしい味わいや食感がほしい人は、プライムよりもコマーシャルやチョイスを選んだほうが本場のステーキっぽくガッツリ食べられるかもしれません」(橋本さん)

アメリカ産の場合、コストコはプライムにはシールがついている。ロピアでは「プレミアム」という表記に。スーパーによって異なるのでよくチェックを。
※1:オーストラリア産牛肉(オージービーフ)にも消費者に向けた肉の品質を表すグレード(MSA等級区分)がある。主に食味要素と調理方法の組み合わせによって分類されており、最上級の軟らかさのものを「MSA 5」、上級の軟らかさが「MSA 4」、そして軟らかさ保証付きが「MSA 3」となる(ただし国内の一般スーパーでこのグレードをラベルに表示しているケースは少ない)。
■オーストラリア食肉ハンドブック 第7版より
https://www.aussiebeef.jp/b2b/oz_meat/4C548DDA-F430-11DA-8CD5-000A95D14B6E.htm

※2:アメリカンビーフは、肉質等級を牛の種類、性別、熟成度、脂肪交雑などによって決定している。最上級の品質は「プライム」、次いで「コマーシャル」「チョイス」「ユーティリティ」とランク付けされている(日本のスーパーでも上位品質のものにはラベルに表示されていることが多い)。
■米国食肉輸出連合会 牛肉格付けシステムより
https://www.americanmeat.jp/trd/database/rank/r_001.html
-AD-

輸入牛は、大きめのかたまり(ステーキ、ローストビーフ用など)で販売されていることが多い。国産牛のようにプラのトレーに入れてラップをかけてあるものと、分厚めの透明フィルムで全体を真空パックしてあるもの(大きめの輸入かたまり肉はこの梱包法が多い)がある。

コロナ禍なので商品に触れる際にはそのお店のルールに従ってほしいが、「触っても破れにくい分厚いフィルム入りの真空パックに入っていたら、ぜひ手で持ち上げて、肉の硬さや締まりをチェックしましょう」と橋本さん。これが輸入牛のどの部位にも共通している第一のチェックポイントなのだとか。

肉を持ち上げたとき、ぐんにゃりしているものは焼くと硬くなる肉なので避けて正解。よく見ると肉自体の形が崩れて切り口もはっきりわからない締りのない感じのものが多いはずです。逆に持ったときしっかり締まっていて切り口のエッジが立っているような肉は料理して美味しい肉です。売り場にある真空パックのブロックをいくつか持ち上げてみると、肉によってけっこう硬さに違いがあるのがわかるはず。トレー入りの場合は、切り口がしっかり立っているのものをよく見て選ぶといいですよ」(橋本さん)

真空パックのものは、〇をつけたあたりを持ちあげて選び、硬さなどを確認するといい。写真/YouTube『肉のプロフェッショナル』より
※真空パック包装の肉は軽く持ち上げると硬さがわかります(注:衛生面を考え、店舗によってはビニール手袋など着用を)。トレーに入っていて薄いラップで包まれているものは、強く指で押すと破れたり痛みの原因になるので、エッジを見て買うとよいでしょう。
こちらはアメリカ産のプライムクラスの肩ロース肉。一見よさそうだが、全体的に肉がダラっとした印象。脂肪部分の透明感もやや落ちている。写真/YouTube『肉のプロフェッショナル』より
上の肉と同じアメリカ産のプライムビーフの肩ロース。こちらのほうが、切り口のエッジが立っていて形がはっきりしている。しっかり締まった肉は焼くと柔らかくておいしい。写真/YouTube『肉のプロフェッショナル』より

大きなかたまり肉の場合、最初にグラム数を見て、目当ての肉を選びがちだが「せっかく奮発するなら、多少のグラム数の違いより、身が硬く締まっているかどうかで選んだほうが絶対、後悔しないはず」と橋本さん。生のときは硬い肉のほうが焼くと柔らかくなるなんて、知らなかった。