フクロウカフェの告発から見える「人間のエゴ」

数年前、フクロウカフェの元スタッフが、カフェ内のひどい環境についてアニマルライツセンターに内部告発をしたということがあった。

それによれば、そのカフェではフクロウたちの糞尿を減らすために水分をたまにしか与えず、脱水症状や体調不良で命を落としたフクロウが数羽いたという。フクロウは本来、夜行性猛禽類で極端にストレスに弱い生き物。ずっと照明に照らされた室内でケージにも入れられず、至近距離で人目にさらされたり、タッチされたりする状況が続くことで、ストレスで衰弱してしまうケースもあると聞く。

人間に例えたらどうだろうか?  寝ている時間の深夜に強い照明をつけられ、眠ることは許されない。そして、足かせをはめて移動できず、知らない人にむやみやたらに触られる。さらに、トイレに行く回数を減らすために飲み食いを制限され、目の前で「かわいい!!」と、大きな声で騒がれ続けられる毎日を過ごすとしたら……。

足かせをつけ、水も自由に飲めない環境のフクロウカフェも多い。写真はイメージです。photo/iStock
猛禽類は神経質なのでうるさい場所も本来は苦手。カフェで陳列されることはストレスでしかないはずだ。写真はイメージです。photo/iStock

「もちろん、保護猫カフェなど施設によっては動物福祉に最大限の配慮している、というところもあるのかもしれないので、すべてを否定しているわけではありません。ただ、一方的な人間の楽しみのために“動物が利用されている”のは、それは良くないことです。動物の本来の生態や性質を無視した展示は、今すぐやめていただきたいと思っています

-AD-

現在、ペットショップや犬猫カフェの展示時間は数値規制で、「6時間を超えるごとに、その途中に展示を行わない時間を設けること」、と決められている。そのため、猫カフェにおいては、交代制で猫を出すようにしている店舗もあり、ペットショップでも、展示のケージにスクリーンをかけて、「現在お休み中」として、犬や猫を休ませているところもある。ただし、それ以外の動物の展示には規制がないのが現状だ。

「ペットに関しては、ペットショップの従業員数、展示時間、ケージの大きさなど、少しずつではあるけれど、法改正のたびに環境改善のための数値規制が進んでいます。ですが、動物園などの展示に関しては、日本ではまだ法的な規定がないので、これはアウトですよ、と言えるような基準がないのが現状です。

つまり、すべてが事業者の意識に委ねられているわけで、それによって展示環境にも差ができているのだと思います。法令や法律が緩いところで、動物を扱うビジネスがどんどん展開されていくわけですね」(杉本さん)

以前、都内の某猫カフェが猫の感染症対策や飼育管理がずさんで問題になったこともあった。写真はイメージです。photo/iStock

動物園の中には、動物の行動に合わせた飼育環境を整え、獣医学や動物学の専門知識がある人たちの管理のもと、「見せる」というよりも「種の保存」という意味合いを深めている施設も増えている。しかし、そういった施設とは別に、安易な動物施設が多く誕生しているのだ。