現役東大生がひそかに学んでいる「本当の株と金融のしくみ」。教鞭をとっているのは、外資系ヘッジファンドのポートフォリオ・マネージャーとして長年、活躍してきた伊藤潤一氏だ。著書『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』は、実際に東大で行なわれた講義をまとめた貴重な一冊。今回はその講義の中から、個人投資家が狙うべき、TOPIXに60%の確率で勝っている22銘柄について教えてもらった。
「優良企業」は「優良銘柄」か?
株式は「何を買って」「いつ売買するか」が大事だ。

でも、良い銘柄とは何か、と考えると、どうだろうか?
いわゆる有名企業の株を買っておけばいいだろうか?
優良企業をここであげるとしたら、どんな会社が思い浮かぶだろう?
トヨタ自動車みたいな大企業?
就活ランキング1位に入るような企業?
こんな質問をすると、ソニー、ファーストリテイリング、日本電産……大勢の人がこの手のブルーチップ銘柄を答えてくる。
じゃあ、ちょっと禅問答のようになるけれども、「優良銘柄をあげてくれ」と言った時、どんな企業を選ぶだろうか。
優良企業は本当に優良銘柄だろうか。
「優良企業」が「優良銘柄」かどうかについては、切り口によって答えはかなり変わってくる。
ここでは「優良銘柄」とする基準を、定められた一定期間内で、株価の上昇率がTOPIXの上昇率を上回る期間がより長かったものと置いてみる。その銘柄は市場の平均値を超えて値上がりした優良銘柄であると考えることができる。