「繰り下げ受給」と「加算」をダブルで実現する方法
年金大改正で繰り下げ受給の上限年齢が拡大される中、繰り下げを選択すると損をする可能性がある……というのはなかなか厳しい現実だ。
なんとか、繰り下げ受給しつつ加給年金ももらう方法はないのだろうか?
小泉氏は、「全部を叶えることはむずかしい」としながらも、夫婦で繰り下げ受給と加給年金加算の両方を実現する方法を教えてくれた。
「先ほども言ったように、加給年金は老齢厚生年金に加算されて支給されるものです。つまり、老齢基礎年金にはまったく影響がありません。
そこで、どうしても繰り下げ増額と加給年金を両立させたいという人は、老齢厚生年金は65歳から受給し、老齢基礎年金のみ好きな年齢まで繰り下げることをおすすめします」

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「一方、年下の妻の方の老齢厚生年金は繰り下げしても夫の加給年金に影響しません。ただし、妻の生年月日が1966年4月1日以前の場合は、加給年金のあとに振替加算があります。振替加算は妻の老齢基礎年金に上乗せされる年金のため、老齢基礎年金を繰り下げ受給すると、その期間は振替加算がもらえません。
これも、繰り下げで増える金額と振替加算でもらえる金額を比較するなどして、検討するとよいでしょう」
会社員や公務員の共働き夫婦は、2人ともに老齢基礎年金・老齢厚生年金がある。加給年金の受給期間はいつになるか、どちらの年金といつまで繰り下げするかなどを年金受給前にしっかりシミュレーションしたほうがよさそうだ。