オミクロン株拡大…「ブレークスルー感染」は結局どれくらい怖がればいいのか? 最新研究が示すこと

第6波と「ブレークスルー感染」

新型コロナウイルス、オミクロン株の流入が取りざたされているが、12月以降、全国での新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の新規感染者報告数は多い日でも1日155人にとどまり小康状態が続いている。

この原因の一つとして指摘されているのが7月以降急速に進んだワクチン接種だ。

12月13日時点で国内の2回接種完了者は全人口の77.4%と国民の4分の3を超え、1回以上接種した人ならば1億人超で接種率80%目前である。このうち高齢者だけで見ると90%超の高い接種完了率を誇っているが、ここ最近高齢者施設を中心にワクチン接種完了者が感染してしまう「ブレークスルー感染」の報告が散見されている。

オミクロン株の出現と第6波の到来もささやかれる中で懸念材料となるブレークスルー感染。その実態をこれまでの研究結果などから解説する。

〔PHOTO〕iStock
 

インフルエンザワクチンでも起きている

まず、現状で新型コロナワクチン接種者での「ブレークスルー感染」とは、一般的には2回接種完了してから、体内で新型コロナウイルスに対する抗体が十分に備わってくると見られている14日目以降に新型コロナに感染してしまうことを指す。

「せっかくワクチンを接種したのに話が違う」と不満に思う人もいるかもしれないが、ブレークスルー感染の自体は、新型コロナ以外のワクチン、例えばインフルエンザや水ぼうそうなどのワクチンでも起きている現象である。ワクチンの有効性が100%ではない以上、必然のことだ。

例えばインフルエンザワクチンは、毎年、世界保健機関(WHO)の流行株の予測に合わせてワクチンを製造することも影響して、予測の的中度合いなどによってワクチンの有効性は年ごとに異なる。

インフルエンザワクチンに関する有効性を評価した研究論文50本以上を統合して解析(メタアナリシス)した結果からは、年齢別の発症予防の有効率は20歳未満で43〜69%、20〜64歳で35〜74%、高齢者(60 歳超)で24〜63%と幅がある。この幅がまさに年ごとのウイルス株流行予測の精度も含めた有効率の差である。

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