2021.12.20
# 中国

ペットが誘拐され食べられた…規制ができても止まらない、中国「犬食」の現実

まさに、新旧中国の交差点だ
高口 康太 プロフィール

養殖できる動物はブタ、ウシ、ニワトリ、水牛、ヤク……などなど33種類に限定するという内容で、それ以外は一切禁止するというものだ。これによって、「この犬肉は養犬場から届けられたものです」という口実で運営されていた犬肉レストランなどは、破滅するしかない。

中国人の野味文化もついに終焉の時が来たのではないか云々と取り沙汰されたが、規制から1年半あまりが過ぎた今でも、大きな変化は起こっていないようだ。

変わらず今も犬肉を食べている人は多いし、おそらくはセンザンコウだって食べられているのではないか。20年後、再びセンザンコウを中間宿主として人間に感染する、新たなコロナウイルスが中国を発信源として広がっても不思議ではない。歴史は繰り返す、である。

 

中国は不思議な国である。一党独裁の国家体制で人民は厳しい監視下に置かれているが、その一方で政府がどれだけ口やかましく指導しても、犬肉食1つ封印することができないことも事実である。

拙著『中国「コロナ封じ」の虚実-デジタル監視は14億人を統制できるか』(中公新書ラクレ)で詳述したが、中国は現在、新型コロナウイルスをほぼ抑え込むことに成功しているが、その対策では「いかに古い中国を抑え込み、公衆衛生を徹底するか」がカギとなった。

どんなに禁止してもこっそりセンザンコウを食べてしまうお茶目な人民たち、高層ビルが建ち並ぶ先進都市になっても犬泥棒が消えない社会。これらをいかにコントロールするか。先進国が長い時間をかけてゆっくりと社会を変えてきた過程を、中国共産党は独裁権力とデジタルの力を武器に、「中国スピード」での社会改造に取り組んでいる。

デジタルの力で先進国的な社会を速成栽培する、空前の社会実験は果たして成功するのだろうか。

SPONSORED