2021.12.20
# 中国

ペットが誘拐され食べられた…規制ができても止まらない、中国「犬食」の現実

まさに、新旧中国の交差点だ
高口 康太 プロフィール

民間非営利団体(NPO)のアニマルアジアが2015年に発表した報告書「食卓に載せられた罪とウソ」は、中国メディアが報じた犬猫泥棒事件に関する記事を収集したが、2001年から2015年にかけて714件が確認された。

報告書「食卓に載せられた罪とウソ 」の表紙
 

報告書で取りあげられている事件がなかなかにえぐい。

・「犬肉を1キロいくらで買い取るから盗んでこい」とそそのかされて強盗に及んだ事件。
・麻酔薬付きのボウガンで犬を眠らせて連れ去る犬強盗、追ってきた村人にボウガンを打ち殺害。
・農民の犬を奪った泥棒が逆に袋だたきにされて死亡。
・麻酔薬付きのボウガンを使う犬泥棒、間違えて自分に矢を刺してしまい死亡。

犬だけではなく、人も死んでいる事件がごろごろ存在するようだ。報道されたのは特に目立つ事件が多く、氷山の一角とみるべきだろう。報告書によると、正式な統計はないものの、中国では年に1000万頭以上の犬と400万匹以上のネコが食べられているという。そのほとんどが出所不明だ。

食用の養犬場も存在しているが、いずれも小規模だ。アニマルアジアの調査では100頭以上を飼育している大型養犬場の存在は確認できなかった。農家が個別に犬を飼育しており、それを個別に買い集めて出荷しているケースが多いと分析している。

おそらくこの分析は妥当なものだろう。中国でもっともよく食べられる食用肉は豚肉だが、豚も大型養豚場で育てるよりも、農家が個別に育てているケースが多い。人を雇わずに農家自らが豚を育てれば人件費はほとんどかからない。さらに養豚場に求められる衛生基準や糞便処理コストを、業者側が負担しなくていいという裏事情もあるだろう。

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