2021.12.20
# 中国

ペットが誘拐され食べられた…規制ができても止まらない、中国「犬食」の現実

まさに、新旧中国の交差点だ
高口 康太 プロフィール

そして、家族を持つ代わりに「毛孩子」として、ペットを飼う人も増えているというわけだ。ペットというよりも、人間同様の家族として扱いたいという思いから、中国では不思議なペットグッズも誕生している。その1つが「ネコ用火鍋」だ。

ネコ用火鍋(ウェイボーより)
 

辛くて熱々の火鍋は、ネコにはとうてい食べられない代物だ。この商品はインスタント火鍋の容器にペットフードが入っている“だけ”。自分が火鍋を食べるときに、ペットも同じく火鍋を食べていたら楽しいという発想で生み出された。プラスチックの火鍋容器を作るだけというお手軽に開発されたものだが、かなり話題になったという。

俗に「中国スピード」と言われるが、中国社会は急激に変化している。結婚しない若者、家族としてのペットなど、先進国的な観念がすさまじい勢いで広がっているのだ。もっともすべての人が一度に変われるわけではない。一足先に変化した人と、百年一日の古い社会で生きている人が同居している。その交差点に「家族としてかわいがっていたペットが、かっさらわれて露店で売られている」という事件が発生する。

この事件は氷山の一角にすぎない

初七の運命は悲惨なものであったが、決して珍しい話ではない。都市部には高層ビルが建ち並び、日本や米国以上に近代的な姿をしている。以前ならば犬肉火鍋屋の店頭で、おりに入れられたシェパードというぎょっとする光景を見ることもあったが、今では都市部でそうした光景を見ることはほぼない。

だが、犬泥棒はいまだに現実の脅威として存在している。中国のネットショッピングモールを見ると、多種多様な「犬猫用GPSトラッカー」が販売されている。単に居場所がどこかをつきとめる機能だけではなく、遠くに離れるとアラートが鳴る設定や自動的に警察に通報できる機能がある高機能商品も売られている。迷子だけではなく、泥棒対策も重要な目的というわけだ。

SPONSORED