2021.12.20
# 中国

ペットが誘拐され食べられた…規制ができても止まらない、中国「犬食」の現実

まさに、新旧中国の交差点だ

中国でも話題になった「初七事件」

「散歩中、ちょっと目を離した隙に愛犬の初七を誘拐されたAさん。首輪につけていたGPS発信器の信号を頼りに追跡するも見失うが、必死の捜索の末に犬肉販売の屋台を特定。取り押さえるも、もう愛犬は“半身”しか残っていなかった。

見る影もない姿だったが、柴犬特有の尻尾の形は残っていたし、大きさも初七そのまま。最終的にマイクロチップによって確認した。残りはすでに販売され、どこかのご家庭の食卓に並んだ後だったのだ」

中国の大手SNS「ウェイボー」に投稿された初七の写真
 

7月30日、中国の大手SNS「ウェイボー」では「柴犬初七」というハッシュタグがトレンド入りした。その内容は冒頭の通りだ。子どものようにかわいがっていたという柴犬、初七への思いと、皮をはぎとられた後の無残な姿というショッキングな写真もあって、人々の注目を集めたようだ。

最近、中国では「毛孩子」という言葉が流行語になっている。「毛の生えた子ども」、すなわち子どものようにかわいがっているペットを意味する。Aさんのウェイボーのプロフィールにも「柴犬初七のママです」と書かれており、家族として扱っていたという。

ペットとして犬猫を飼うことはなにも昨日今日始まった話ではないが、この「家族扱い」という感覚は、中国ではごくごく最近のものだ。儒教的な発想からなのか、「人間と禽獣の間には明確な一線がある」というのが伝統的な中国の観念だ。以前ならば、「うちの犬は家族なんです」と言おうものなら、せせら笑われたことであろう。

ところが今、中国の家族観は急速に変わりつつある。ほんの10年前は結婚しない、出産しないと公言すれば大問題とされたが、最近ではさほど珍しい話でもない。恋愛が面倒なので一人で生きる、金銭的・時間的余裕がないから子どもを作らない、仕事が忙しいから結婚や出産は後回し……事情はさまざまだが、多様な生き方を選ぶ人が増えている。

SPONSORED