32歳妻から「3万の夫のこづかい」の“値下げ”を相談されたFP、逆に“値上げ”を提案した理由

長野 郁子 プロフィール

佐藤家の「夫のおこづかいを減らしたい」という相談には「おこづかいは生活にとって必需ではないけれど、冗長な費用ではなく人生を豊かにするもの。お昼代は別にして、もっと家計費をスリム化して夫婦それぞれの活動費=自由なお金をつくりませんか。その方がお互い働くモチベーションあがりますよ」と回答した。

具体的には通信費を格安スマホに変え、保険や雑費を見直し合計2万円を捻出して敏夫さんに昼食費1.5万円と活動費2万円、由紀さんには活動費1.5万円としたらどうかと提案した。

それでも「これから教育費もかかるし、老後も心配だし」とおっしゃる。そういうお金の心配や不安をひとつひとつ明らかにして対策を施して、その上でいま安心して使えるお金をはっきりさせるのがファイナンシャルプランだと私は思っていると伝えた。
家計簿もキャッシュフロー表も「活動費=自由に使えるお金」を増やすためのものだと話したら「なるほどね」と胸にストンと落ちて、やる気になったようだった。

妻だって「やりくり」や「へそくり」でコソコソ美容院代や化粧品代や友人とのお茶代を捻出するより、堂々と「活動費」があった方がいい。まじめに家計管理しているとつい「将来にそなえなくっちゃ」と思いがちだが「いま」を犠牲にしてはならないと言いたい。

 

「世間での普通」を持ち出さずに話し合う

夫婦が一緒に暮らしていく上では、生活費の負担割合、家事労働の分担、それぞれの活動費、基本的に半々になるのが望ましい。

でも、そもそも男女には賃金格差があり、正規と非正規の間には歴然とした違いがある。それに正社員だったとしても病気や怪我で働けなかったり、リストラされたり、小さな子供がいたり、介護を抱えたりとそれぞれの事情もある。だからそのつど相談して決めるしかないが、半々というニュートラルな状態を前提にすれば相手の負担がわかる。くれぐれも「男なら(女なら)当たり前」「普通は」と自分の世間相場を持ち出さないで相手の話をじっくり聞いてほしい。

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