定年間際の世代こそiDeCoを始めるメリット大! NISAとiDeCo早わかり表付き

「定年」からでも間に合う老後の資産運用(6)/終
定年退職を間近に控えると、老後の生活が現実味を帯びてきます。将来を楽観視できる要素を見つけるのが難しくなってきている今、「60歳からをそこそこ働きそこそこ楽しむ」ための資産運用を考えてみませんか? 定年間際の方にこそ読んでほしい『「定年」からでも間に合う老後の資産運用』から使える知識をピックアップ!

確定拠出年金とは

税制優遇のポイント

NISA以外に税制優遇が受けられる口座として確定拠出年金があります。

つみたてNISAは投資がはじめての人にとってイチオシの制度だとお伝えしました(NISAについてはこちら)が、定年前後の世代の方は、つみたてNISA以上に、まず確定拠出年金をフルで使いこなすことを検討されるのが有利と考えられます。その理由について、整理していきましょう。

Photo by iStock
 

確定拠出年金は2001年に開始された制度です。

私たちの平均余命は延びており、90歳くらいまで生きることも当たり前になってきていると解説しました。これまで通り、60歳でリタイアすると仮定すると、セカンドライフの期間は長くなります。リタイア後の主な収入源となるのが年金ですが、少子高齢化により、実質的に目減りしていく傾向にあります。公的年金制度を利用するだけでなく、自分の力でもセカンドライフの資金を用意する必要性が高まっています。こうした背景で作られたのが確定拠出年金制度なのです。

確定拠出年金は大きく分けて2つあります。

1つは勤務先が従業員のために制度を利用しているものです。これは企業型確定拠出年金と呼びます。アメリカの確定拠出年金制度になぞらえて日本版401kやDC(Defined Contribution)と呼ばれることもあります。企業が制度を用意していないと加入することができません。もう一つは個人型確定拠出年金(iDeCo)ですが、のちほど説明します。

企業が掛け金を毎月拠出し、加入者である従業員が、自ら資産の運用を行います。企業が拠出する金額は一定のルールで確定していますが、受け取る金額は従業員自らが選ぶ金融商品によって変動があるため、確定(した)拠出(額の)年金というわけです。企業が拠出する金額に加えて、企業が拠出する金額を超えない範囲で加入者が別途掛け金を上乗せできる、マッチング拠出と呼ばれる制度を採用している企業もあります。

確定拠出年金で拠出できる上限額は、確定給付企業年金(給付されるほうの金額が一定のルールで確定している企業年金)など、他の企業年金制度がある場合で月2万7500円(2024年12月からは、月5万5000円から、実際の掛金相当額を差し引いた額が上限となるよう統一される予定)、他の企業年金制度がない場合で月5万5000円です。これは、マッチング拠出で本人が上乗せして拠出する金額も含めての上限額となります。

確定拠出年金の税制優遇措置は大きく3つです。

・各種NISA同様、運用して利益が出た時にかかる約20パーセントの税金が非課税であること
・受け取る時には受け取り方に応じて、退職所得控除、公的年金等控除の対象になり、課税されづらいこと
・企業型確定拠出年金のマッチング拠出や、後述する個人型確定拠出年金(iDeCo)で拠出した全額が所得控除になり、現役時代の節税につながること

確定拠出年金制度を使って運用できる商品は、元本が保証されている「元本確保型」と、価格が運用成績によって変わる「価格変動型」があります。両方を併用することも可能です。

元本確保型の場合は主に保険や定期預金などの商品を、価格変動型の場合は主に投資信託を購入できます。

iDeCoも企業型確定拠出年金と同様に運用益は非課税、受け取り方によって各種控除が受けられ、掛け金は全額所得控除というメリットがあります。もともと企業年金のある会社員や、専業主婦は加入できませんでしたが、2017年1月から適用枠が拡大され、60歳未満で国民年金を支払っている人は誰でも加入できるようになりました。

ただ、現時点では企業年金のある会社員においては、企業が拠出する金額について、規約で上限を定めなければ、iDeCoに加入できないという制限があります。

企業はあえて上限額を規約では定めず、勤続年数に応じて拠出額を変えているケースがあります。この場合、勤続年数が短い人などにおいて、必ずしも上限いっぱいまで拠出されていないケースもあるわけです。本人が、企業が拠出してくれる金額と合計して月2万7500円や月5万5000円の上限いっぱいまで将来の備えを行いたい、そのためにiDeCoに加入して金額を近づけたい、と希望していても、勤務先の年金制度によってはiDeCoに加入ができないケースがあるのです。

この制限は2022年10月に緩和され、企業が上限額を規約で定めていなくても、一定の限度額の範囲内であれば、iDeCoに加入できるようになります。そのため、2017年のタイミングでiDeCoへの加入を検討し、勤務先に確定拠出年金の仕組みがあるために開始できなかったという経験がある人も、2022年10月以降に、今一度検討する価値があります。

関連記事