節税のため「高級タワマン」を購入し、逆に「痛い目」を見た70代・資産家の大誤算

「相続税対策」のつもりだったが…

少し前に流行った「タワマン節税」

富裕層、とりわけ不動産をたくさん保有している人は多額の税金が課せられる運命にある。毎年の固定資産税や都市計画税に加えて、多くの資産家を悩ませるのが「相続税」だ。

「相続が3代続くと財産がなくなる」といわれるほどに、日本の相続税は諸外国と比べて高率である。そのため、高齢の資産家が集まるコミュニティでは、相続税をどう「圧縮」するかについて盛んに情報交換が行なわれているという。

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少し前に流行った「タワマン節税」という言葉をご存じだろうか? 生前贈与や不動産投資など、さまざまある相続税対策の一種だ。価値の高いタワーマンションを家族に継承できるうえに、節税効果もあるとあって良いこと尽くめのように思えるが、はたして実情はいかなるものか。

本記事では、相続税対策にとタワマンを購入したものの、思わぬ落とし穴にはまってしまった、ある資産家の高齢男性のエピソードを紹介する。

相続税対策に熱心だったが…

「駅前の賃貸マンションや店舗、駐車場などの不動産を中心に10億円を超える資産があります。妻は4年前に先に逝きました。私ももう高齢ですし、近くに住む娘と婿のために相続税対策を、と思っていたところ、タワマンの購入話が持ち上がったのです」

こう話すのは横浜市在住の片岡圭太郎さん(77歳・仮名)で、近隣では名の知れた「地主さん」だ。片岡さんの父親の代までは畑や果樹園を営む農家であったため、先祖代々受け継いできた広い土地を保有している。昭和初期に都心まで1本で行ける私鉄が通り、代々保有していた農地が駅前となった。

家業である農家を片岡さんが受け継いだ頃、時代はまさに高度経済成長期の真っ只中。郊外の私鉄沿線の土地も商業地や住宅地としての需要が高まっていたため、片岡さんは持っていた土地の大部分を農地転用(農地を農地以外にすること)したのだ。

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