2021.12.25
# 中国

苦しむ中国…「一人っ子政策」緩和へと舵を切るが、思わぬ「足かせ」も

高齢化のスピードが非常に早い
夫婦がもうける子供の人数を制限している中国で、3人までの出産が認められるようになりました。少子高齢化が急速に進んでいるためです。世界で一番多い中国の人口は2015年には14億人規模となりましたが、その増加率は徐々に鈍化しており、2022年にも減り始めるとの見方もあります。ここでは中国の人口抑制策が社会や経済にどのような影響をあたえたのかを整理します。
 

中国の「一人っ子政策」とは

1949年、中国建国直後の指導者毛沢東主席は、人口を増やせば経済が発展すると考え、国民に子供をたくさん産む方が良いと呼びかけました。約5億4千万人だった人口はその後急速に増加することになります。このころ中国では積極的な経済拡大政策を行っていましたが、自然災害などが重なったこともあって、増えた人口を賄う食糧が足りなくなり各地で飢饉が発生することとなりました。食糧不足が落ち着くとその反動で1970年代初めにかけて人口が再び爆発的に増加します。食糧不足の再来を防ぎ、それに伴う社会全体の貧困を防ぐため、1組の夫婦がもうけることができる子供の数を制限する「一人っ子政策」が1979年に導入されました。


拡大画像表示中国の人口推移を示したグラフ ※期間:1950年~2020年(年次)出所:国際連合のデータをもとにアセットマネジメントOne作成

「一人っ子政策」とはどのような政策だったのでしょうか。正式名称を「計画生育政策」といいます。政策は「晩婚」「晩産」「少生」「稀*1」「優生*2」の5つを柱にしているのが特徴で、中国の憲法および婚姻法を法的根拠に、そして各地区の計画出産条例に基づいて実施されました。(*1 2人の出産間隔を延ばして3~4年程度にすること。*2 民族の素質を高めるべく、徳・知・体どの面からもすぐれた人材になること。)

この政策では、第1子をもうけた夫婦が2子を産まないと宣言して、「一人っ子証」を受領することができました。この「一人っ子」宣言をした夫婦には、奨励金や子供の学費補助、医療費の支給、住宅や農地の優先配分などの優遇策が設けられました。一方で、宣言をしなかった夫婦は、賃金のカットや養育費の徴収、昇給・昇進の停止などの罰則が与えられることになりました。また、農村部や少数民族では、第2子出産が許可される例外規定も設けられました。

なお、中国では人の住む場所にも制限が設けられています。農村部と都市部の戸籍を分けて管理して、自由な移動が認められていません。農民は農村部にとどまり、経済成長の原動力となる工業地帯である都市部への食糧供給を安定させるための制度です。しかし、1978年の改革開放後に多くの「農民工」と呼ばれる人々が都市部に流入し、工場などで働くようになりました。賃金が低い農民工が経済成長を支えた一方で、農村に残されて満足な養育を行えないことが社会問題になったこともあり、政府は農村出身者が都市戸籍を取得できるよう規制緩和を進めています。

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