2021.12.16
# 韓国

韓国はなぜ「二度の利上げ」に踏み切ったのか? インフレの「過熱」の実態

金融引き締めへの転換

金融引き締めへの転換

韓国銀行は11月25日に政策金利である韓国銀行基準金利を0.75%から1.00%に引き上げた。今年の8月にも金利引き上げが行われており、短期間に2度の引き上げがなされたということは、韓国が金融引き締めに方向を転じたことを示している。

韓国銀行は景気が回復傾向であるなか、物価上昇率が高まっているため金融引き締めに舵を切ったわけであるが、韓国銀行が景気と物価についてどのように認識しているのか、韓国銀行の資料から確認してみよう。

韓国銀行〔PHOTO〕iStock
 

国内の景気については、設備投資は世界的に供給がうまくいっていないこともあり調整局面にあるが、輸出が好調であり個人消費もワクチン接種などを背景に回復する様相を呈している。雇用も就業者数が増加するなど改善している。輸出が今後も好調に推移するかを左右する世界の景気は、変異ウィルスが拡大しているものの、回復の動きが続いている。

一方、消費者物価指数は石油類価格の上昇幅の拡大などにより3%台にまで高まり、コアインフレ率(食料品およびエネルギーを除外した指数)も2%台中盤にまで高まっている。さらに期待インフレ率も2%台後半へと上昇している。

以上のような認識のもと、韓国銀行は金利引き締めによる景気への副作用はさほど大きくない反面、物価上昇には対処しないといけないと判断して、金融引き締めに舵を切ったわけである。韓国はインフレターゲットを導入しており、目標値は消費者物価指数の対前年比上昇率で2.5%である。現在は、消費者物価指数の対前年比が3%を超えているような状況であるため、金融引き締めは当然の政策転換である。

以下では、消費者物価指数が3%を超えてしまった要因を見ていこう。

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