1999年に公開された『マトリックス』シリーズ最新作『マトリックス レザレクションズ』が12月17日より公開となる。
2003年に公開された第2作『マトリックス リローテッド』、第3作『マトリックス レボリューションズ』から18年の年を経て実現した本作は、主演のキアヌ・リーブスとキャリー=アン・モスが「この脚本なら」と引き受けたとも報じられている。

出典/ワーナーブラザーズ公式チャンネル 

その『マトリックス』でキアヌ演じるネオ/トーマス・アンダーソン役の吹き替えをずっと担当しているのが、小山力也さんだ。小山さんは俳優としてデビューしたのち、「ER救急救命室」のダグラス・ロス(ジョージ・クルーニー)、「24」のジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)など、多くの名優の吹き替えをつとめてきた。1999年からネオを演じ続けてきた小山さんに『マトリックス』と最新作について伺った。前編では、そもそもネオの吹き替えを依頼された経緯についてお伝えした。後編では最新作『マトリックス レザレクション』の話を中心に、「マトリックスとは何か」をお話いただく。

小山力也(こやま・りきや)
1988年俳優座に入団、1998年に『ER救急救命室』のダグ・ロス医師(ジョージ・クルーニーの吹き替えではじめて声優として活動を始める。以降、俳優としての活動と並行して、声優として活躍。吹き替えでは『24-TWENTY FOUR-』のジャック・バウアーとキーファー・サザーランド)、『マトリックス』シリーズのネオ(キアヌ・リーブス)、アニメでは『名探偵コナン』の毛利小五郎、『NARUTO』のヤマト〈テンゾウ〉、『バキ』の烈海王、『うしおととら』のとらなど多くの人気作にて声優をつとめている。2011年には第5回声優アワード富山敬賞を受賞。
-AD-

最新作の台本はオフィスから持ち出し禁止!

――1999年に公開され、世界中で大ヒットとなった映画『マトリックス』。2003年に『マトリックス リローデッド』『マトリックス レボリューションズ』が公開になり、小山さんは引き続きキアヌ・リーブスが演じるネオの声を担当した。そして18年という時を経て、最新作『マトリックス レザレクションズ』でも吹き替えを担当している。続編といえども、そのキャスティングは約束されているものではない。四たびのオファーに、小山さんは何を思ったのだろう? 

まず2003年の時は、「またネオをやれる」という嬉しさと、「今回も同じメンバーでできるんだ」という嬉しさの両方がありました。前作をやったからといって、次もオファーされる可能性は100%ではないですし、あえて配役を変える作品もありますから。テレビでオンエアされる際には、局によって声優が変わることだってありますしね。なので純粋に、再びのオファーを喜んでいました。

そして今回については、実は当初『マトリックス』の続編だということは知らされていなかったんです。タイトルを伏せられたまま、ただ「キアヌの新作に声を掛けていただいています」とだけ伝えられていたので、まさかそれが『マトリックス』の新作だとは思いもしませんでした。

「キアヌの新作」がマトリックスの4作目だとは最初は聞かされていなかった!(c)2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

後日、事務所のスタッフから「どうやら『マトリックス』みたいですよ!?」と聞かされた時は、思わず「本当ですか!? それはうまくいくように、ぜひ時間を空けてくださいね!」と言ってしまったくらいです(笑)。

今作には厳しいセキュリティが敷かれ、台本も映像も、閲覧は制作会社のオフィス内でのみ。リハーサルルームからは一切持ち出し禁止ということで、専用の部屋を押さえていただき、4日間連続でリハーサルをしました。台本は各自1冊ずつもらえるので書き込み等はできますが、必ず返却して帰らなくてはなりません。間違えないように表紙に名前を書いてお預けして、次回また出してもらう、を繰り返していました。

声の仕事にはスポーツみたいなところがあって、反射神経が重要になります。ただ台本を覚えればいいというものでもないため、これまでずっと朝でも夜でも「あっ」と思った時に台本を確認して反芻する、というやり方でやってきました。なので今回、手元に台本がないのは不安でしたが、制作会社さんが「時間は何時まででも、夜遅くても構いませんから」と、まるまる部屋を空けてくださったので、なんとか無事に終えることができました。

(c)2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.