あなたの老後を左右する、お金のリスクと特徴を知る―債券・株式・外貨預金編―

「定年」からでも間に合う老後の資産運用(4)
定年退職を間近に控えると、老後の生活が現実味を帯びてきます。将来を楽観視できる要素を見つけるのが難しくなってきている今、「60歳からをそこそこ働きそこそこ楽しむ」ための資産運用を考えてみませんか? 定年間際の方にこそ読んでほしい『「定年」からでも間に合う老後の資産運用』から使える知識をピックアップ!

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――債券の仕組み

流動性、安全性、利殖性がそこそこ見込める商品が債券です。債券は国や企業にお金を貸したことを証明する借用書のようなもの。貸したお金なので、約束した期日がくると原則、全額が戻ってきます。

5年、10年といった期間を決めてお金を貸したとしましょう。貸している間は、国や企業はお礼として約束した一定の利息を債券の保有者に支払います。満期まで待てば、それまでの間は利息を受けられ、元本が戻ってきます。これが債券の基本的な仕組みです。

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ただし、注意点もあります。仕組みを聞くと、債券は元本が保証される商品のように思われるかもしれませんが、お金を貸した団体が破綻してしまうと元本が返ってこない可能性もあります。また、新規発行から満期まで持ち続ける取引以外にも、途中で売買が行われるケースがあり、そうした場合では売買の価格の差によって損失が出る場合があります。

お金を貸す団体が破綻する可能性が低いか、安心して貸せるのかを判断するための指標があります。それが債券の「格付け」です。AAAからCまでなど、段階で示し、AAAからBBBまでは「投資適格格付け」、BB以下が「投機的(非投資適格)格付け」などとして、リスクの度合いを分類します。

格付けは格付け機関とよばれる民間の格付け企業が決めています。代表的な企業は海外ではS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)、ムーディーズ、日本では日本格付研究所などがあります。

格付けは債券が返却できる信頼度が高いと考えられる国や企業ほど上がり、返済能力に不安があるとみなされるほど下がります。格付けの高い債券に対しては、安心して投資ができるわけですが、通常、受け取ることができる利息は低くなります。格付けの低い債券は元本割れなどの可能性が高い分、リスクが織り込まれ、高い利息が設定されていることが多いです。

格付けは、格付け会社によって異なる場合もあります。気になる場合は複数の格付け会社の格付けを参照すると良いでしょう。

債券投資の身近な具体例としては、「個人向け国債」が挙げられます。

個人向け国債は金利のタイプや適用される金利のタイプ、満期によって、固定3、固定5、変動10の三つがあります。

・固定3は「満期3年、基準金利-0.03パーセントの金利、固定金利」

・固定5は「満期5年、基準金利-0.05パーセントの金利、固定金利」

・変動10は「満期10年、基準金利×0.66パーセントの金利、変動金利」

となっています。

固定3、5の場合、金利は購入時の利率で固定されます。そのため、利率が低い時に購入するとそのままになってしまいます。

変動10の場合は、半年ごとに適用される利率が見直されます。つまり市場金利に応じて適用される利率が上下するのです。市場金利が下がった時には基準金利も下がりますが、下限は設定されているので、市場金利がいくら下がっても、0.05パーセントの利息を受け取ることができます。

 

また、満期は3年、5年、10年と設定されていますが、発行から1年を経過すると中途換金は可能で、直近2回分の利子を返却することになります。1年経過するとちょうど利子を2回受け取るので、実質、元本が割れる心配がありません。

債券は、ある程度の利殖性と安全性が期待される人気の運用方法の一つですが、近年では市場金利がかなり低いことから、投資先としての魅力はやや低いと見る傾向もあります。

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