2021.12.18
# エンタメ

松本人志が考える「面白い」を大勢に伝えるには――『ドキュメンタル』総合演出・小松純也さんインタビュー

松本人志さんが企画・プロデュースするAmazon Original番組『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』(以下、ドキュメンタル)がシーズン10を迎えた。12月3日に配信された本作は、6人の歴代王者が結集した「チャンピオンシップ大会」だ。『ドキュメンタル』とは何か、どのように演出されるのか、総合演出を務める小松純也さんに話を聞いた。

小松純也
1967年生まれ、兵庫県出身。京都大学卒業後、1990年フジテレビジョンに入社し、『夢で逢えたら』『笑っていいとも!』『ダウンタウンのごっつええ感じ』『SMAP×SMAP』『笑う犬シリーズ』『TV's HIGH』『平成日本の夜ふけ』『FNS27時間テレビ「さんま・中居の今夜も眠れない」』などを担当。編成部、スカパーJSAT出向、バラエティ制作センター部長などを歴任した後、15年から共同テレビジョンに出向。19年に出向元のフジテレビを退社し、現在はフリーとして『チコちゃんに叱られる!』『人生最高レストラン』『BS5局共同制作特番』『DRAGON CHEF』などのテレビ番組、『HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル』『HITOSHI MATSUMOTO presents FREEZE』『JIMMY~アホみたいな本当の話~』などの配信番組のほか、吉本興業の教育プラットフォーム『ラフ&ピース マザー』も手がける。『木村さ~~ん!』(GYAO!)では木村拓哉5年ぶりのコントを演出。
(C)2021 YD Creation
 

「チャンピオンシップ大会」の見どころ

――なぜこのタイミングで「チャンピオンシップ大会」を行うに至ったのですか?

小松:シーズン10という節目でもありますし、良い頃合いかなと。と、同時にショーとして成り立つチャンピオンメンバーが揃ってきたタイミングかなとも思いました。毎回、チャンピオンを決める形でやっていますので、いつかはチャンピオンたちによる「チャンピオンシップ」をやらなければとはずっと思っていました。それぞれ魅力的なメンバーが揃うようになり、状況が整ったかなというのが大きな要因です。

――出場者が10人ではないカタチで踏み切られたのも新たなチャレンジですよね?

小松:そうですね。キリが良いのでこれまで10人でやっていましたが、実は何人でやっても『ドキュメンタル』は良い企画です。今回は、闘いの見届け人である「オブザーバー芸人」という新システムも導入しましたが、彼ら(千原ジュニアさん、藤本敏史さん、後藤輝基さん)を加えても見やすい人数じゃないかなと。

『ドキュメンタル』の収録において、10人の状況をカメラで押さえつづけるというのが、実は非常に難しいんです。そういう意味では、今回やや少なめの人数でスタートできているというのは、視聴者の方々にも見やすい状況かなと思います。また、これは狙いでは無かったですが、若干少なめの人数の方がチャンピオンシップに相応しいんじゃないかなとも個人的には感じていました。

――小松さんから見て、オブザーバー芸人3名はどういう人物でしょうか?

小松:『ドキュメンタル』での空間では、実は、参加芸人さんたちによる共同作業が行われていて。お互いにせめぎ合っているんですけど、結果彼らはショーマンとして、今何をしている状況なのか、ってことをクリアに考えている。全員バラバラに自分の勝手にやったところで、必ずしも見ていて面白いものになるわけでもないし、中にいる人たちを笑わせることもできないんですよね。その場を支配する一つの状況、一つの空気というのがあって、芸人さん皆がそれに向かって仕掛けて、生まれたグルーヴに乗って人を笑わせることができる。あるいは自分が笑ってしまうのかという戦いを彼らはやっているわけです。

そのグルーヴやノリというものを作っていくのは、どちらかというとツッコミのジャンルに近い芸人さん。

場を回しながら、客観的に状況を見て、それが面白い状況であるということを、輪郭をはっきりさせながら進めていく。それによってそこにいる全員が流れを理解できる。「(その状況に)どう乗っかっていけばいいか」というのが分かる。共同作業で展開が進んでいき、そのスピードがどんどん上がっていく中で、笑ってしまう人間が出るという。そうした「流れを作ることができる人である」というのが、人選のポイントです。

結果的には、ツッコミができる人、器用に何でもできてその場の状況を構築することができる人、平たく言えば仕切りができる人という方々ですね。お三方ともすごく現場では楽しそうにされていましたね。あの中で一人だけ笑っていいということは素晴らしく楽しいことでしょうから(笑)

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