大炎上した「ゆきぽよ」、見誤った「テレビ業界のルール」と「今後の大きな不安」【2021年ベスト記事】

片岡 亮 プロフィール

また、こうしたタイプの芸能人には、過去の「やんちゃ」や「悪事」を明かすものも珍しくなかったが、違っていたのは、この15年ほどで日本は反社会的勢力を一掃する社会になり、その価値観を揺るぎないものとする世論ができあがったことだ。

 

バラエティータレントとしての失敗

少し話が逸れるが、先日、入れ墨禁止のルールを破ったプロボクシングの世界チャンピオン、井岡一翔が批判された件も、この時代の変化と無関係ではない。日本だけに存在する「入れ墨禁止」というボクシング公式ルールは、かつて暴力団幹部がリングサイドに堂々と座り、ジム後援者でもあった時代、テレビ局の要望もあって世間向けの反社一掃のパフォーマンスとして作られたものだ。

だから実質的には中身は曖昧なまま、「塗料で隠せばいい」なんてルールにない救済措置を取らせたり、日本ジム所属であっても外国人選手であれば不問だったりもした。その後、警察との連携で暴力団排除が進んで、2014年には反社と無関係なことを誓約する規則ができており、ボクサーの入れ墨禁止の意義はほとんどなくなった。巷ではミュージシャンや若者がファッションとして入れ墨を楽しむようになり、井岡もそのひとりにしか見えない。

ただ、世間では一般的にこれを「不快」とする人々が多いから、ボクシング界もこの矛盾ルールを撤廃できないでいる。なにしろ、ヤクザ映画が大流行した頃と違い「暴力団も必要悪」なんて言う人はいなくなり、暴力団と宴会で同席したタレントがテレビから消える時代だ。

話を戻すと、ゆきぽよにもあざとさや演出のうまさがあれば、そこはもう少し自己調整して要領よくやれただろう。特にゆきぽよはバラエティータレントとしてそこで失敗した。「元カレは悪人だったけど、いまは絶対にそんな人間は嫌、横断歩道の信号無視するだけで別れる」とでも付け加えておけばよかった。しかし、良くも悪くも、ただ思ったことを言えば勝手に周囲が面白がって金になってきたから、考える余地もなかったのだろう。

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