2021.12.15
# 企業・経営

いよいよ始まった「日本型雇用」の大崩壊…GMOが新卒採用で「高度人材だけを採る」意味

IT大手のGMOインターネットグループが、新卒採用に関して高度人材に絞る方針を決定した。パナソニックやホンダ、フジテレビ、博報堂など大手企業による希望退職の募集も増加している。コロナ後には日本型雇用の崩壊が一気に進むとの予想があったが、その動きが早くも顕在化しているようだ。

〔PHOTO〕iStock

新卒は高度人材だけでいい

GMOインターネットグループは2023年度から、新卒採用についてエンジニアや統計スペシャリスト、経営者候補など高度人材に絞って実施する。年収は初年度から710万円とし、3年目以降は再評価した上で報酬を決定するという。日本における大卒の初任給は20万円(年収では240万円)程度なので、別格の扱いといってよい。

同社は中途採用にも力を入れており、採用者における新卒比率はあまり高くないが、高度人材に限定することで、新卒採用がさらに減る可能性が出てきた。

注目すべきなのは新卒を高度人材に絞る理由である。同社は新型コロナウイルスの感染拡大当初、大手企業としてはいち早く在宅勤務への切り換えを進めるなど、業務のデジタル化に積極的な企業として知られる。デジタル化による生産性の向上で得た利益を人材投資に回すことが狙いであり、採用数の減少も生産性向上でカバーする方針だ。

 

近年、ITの驚異的な発達によって、単純な事務作業の多くをシステムに置き換える道筋が見えてきた。メガバンク各行も大規模な人員の再配置や削減を実施しているが、背景となっているのはITによる業務の自動化である。

これまで企業が業務を遂行するには、中核業務を担う人材に加えて、付随する事務作業を担当する社員を大量に確保する必要があった。しかしAI(人工知能)を活用し、業務の自動化を進めれば、こうした社員を大幅に削減できる。収益に貢献する部署に異動させれば、組織全体の収益も拡大し、最終的には賃金の上昇にもつながってくる。

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