美しさの本質って…?平成期の大人気少女マンガ「エンジェルリップ」が投げかけたもの

第20回「エンジェルリップ」

子どもの頃、どんな少女マンガを読んでいましたか? クラスの中では、なかよし・りぼん・ちゃお・花とゆめなど派閥が分かれていたり、応募者全員サービスのグッズが欲しくて切手を送ったり、夏の増刊号の怖い話特集がトラウマになったり…。

そんな「懐かしい〜〜!」と思わず身悶えしてしまうような記憶が再び!

現代ビジネス少女マンガ部は第2弾がスタート。「なかよし」に続き、平成期にマンガ誌「ちゃお」に連載されていた懐かしの作品を毎週火曜日にリレー形式で紹介します。

無料試し読みもありますので、ぜひ当時のときめきを思い出してみてください。

思い出や感想ツイート、リクエストツイートもお待ちしてます。Twitterのハッシュタグ「#現代ビジネス少女マンガ部」をチェック!

別人のようになれる不思議な「リップ」

第20回で取り上げるのは、「ちゃお1996年2月号」よりスタートした「エンジェルリップ」。「アリスにおまかせ!」「Dr.リンにきいてみて!」「ビューティー・ポップ」など大人気作を生み出してきた、あらいきよこさんの連載作です。

(C)あらいきよこ / 小学館

同じく1996年に連載がスタートした「ちゃお」作品を振り返ってみると…

・少女革命ウテナ
・ぼくたちの卒業
・新水色時代
・アタック☆オン
・夜がおわらない
・ひまいぬペッパー

どれも懐かしい名作ばかりです。

「エンジェルリップ」は、ちゃお1996年2月号から1999年7月号まで連載。第44回小学館漫画賞受賞作でもあります。

あらすじを見てみましょう。

<みきなは昔、子供モデルをしていました。でも、ある事件でカメラ恐怖症になり、引退したのです。そんなみきなに、ある日「エンジェルリップ」が届きました。つけると別人のようにきれいになって、だいたんになれるふしぎなリップ。みきなはそれを使ってモデルに復帰するのですが…>

 

リップがもたらす「栄光」と「不幸」

藤谷みきなは、高校1年生。身長170cmと抜群のスタイルを持つも、自分に自信が持てない女の子です。実はみきなは過去に、父親が経営するモデル事務所「リトルエンジェル」で子供モデルとして活動していました。けれども、5歳のときに起きたある事件をきっかけに極度のカメラ恐怖症・あがり症になり、カメラの前に立てなくなってしまったのです。

以来、経営不振の「リトルエンジェル」を気にかけつつも、復帰には及び腰となるみきな。そんなとき、みきなの元に手紙と共に不思議なリップが届きます。手紙にはイタズラ書きのような字で、「コレハ、エンジェルリップデある。栄光ヲモタラス、リップだ。ダガ使イカタマチガウト不幸になる」と書いてありました。

半信半疑のみきなでしたが、恐る恐るリップをつけて鏡を見てみると、そこには別人のように美しく自信にあふれた姿が! リップの力を使ってみきなはモデルに復帰し、トップモデルを目指していくのですが、そこには様々な障壁が立ちはだかることになります。

(C)あらいきよこ / 小学館

つける度に色や雰囲気が様変わりするエンジェルリップをまとったみきなはとにかく可愛い&カッコいい!「今の自分をぬぎ捨てたい」「ちがうあたしに生まれ変わりたい」という強い思いに共感した読者も多かったのではないでしょうか。また、「きれいなだけのモデルはいらない」という、美しさの本質を突く、作品を通したテーマにも心動かされました。

みきなのライバルで大手事務所「ヴィーナス」のトップモデルであるリサコ、「ヴィーナス」所属の男性モデルで絶大な人気を誇るヒロ、みきなを幼いころから励ましてきた華ちゃん、みきなの幼なじみでモデル仲間だったマリちゃん…。みきなを取りまくキャラクターたちもみんな魅力的でした。

エンジェルリップに隠された驚きの秘密とは…、トップモデルを目指すみきなが選んだ「決断」とは…。稀代のストーリーテラーである、あらいきよこさんが描く「エンジェルリップ」。読み応え抜群の名作です!

(C)あらいきよこ / 小学館
次回は1月4日に更新です。お楽しみに!

関連記事