「里帰り出産」は妻にとってリラックスした環境で出産し、実の親に生活のヘルプも頼めるという利点がある。しかしそれは同時に「夫の存在」が薄れてしまう可能性にもつながる。

上條まゆみさん連載「子どものいる離婚」、今回は夫と同居したことがないままに切迫早産で入院、そのまま出産して実家に暮らしていた今井千寿子さん(42・仮名)の体験談をお伝えしている。
その前編では、かつて芸能活動もしていた千寿子さんが「よき父親になれる人」と結婚したいとやさしい男性と結婚したものの、実家の居心地の良さでそのまま子どもと住み着いてしまったことをお伝えした。

しかし、実家の父親が事業に失敗してしまう。それなら夫と家族3人で暮らすのではないかと思うのだが……。後編ではそこから離婚に至るまでの経緯と、シングルマザーになってからの生活についてお伝えする。

生まれてから一度も同居がないままに…Photo by iStock
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「一緒に住もう」と夫に言ってほしかった

千寿子さんの父親が事業に失敗し、家を手放すことになり、居心地よく、楽ちんだった実家での暮らしは一変した。

「この先、どのように暮らしていくのがいいか、元夫に相談を持ちかけました。本心では、『一緒に住もう』って言ってほしかったんです。でも、私が言い方を間違えてしまったというか…。元夫にはっぱをかけるつもりで、離婚してシングルマザーになれば、部屋も安く借りられるし、行政からの手当も出るから選択肢として考えている、って言ってしまったんです。そうしたら、元夫は離婚に乗ってきて」

一緒に暮らしていないから家族として見られない、千寿子さんが「私たち」と言う中に自分が入っておらず疎外感があった、というのが夫の言い分。それには、千寿子さんも納得せざるを得なかった。

夫の言うとおりだった…Photo by iStock

「ここでしっかり話し合えばやり直せたのかもしれないけれど、家族として守ろうという気持ちがないなら、もう離婚でいいかな、と。いままで生活費としてくれていたぶんを、子どもの養育費としてくれるというし……」

離婚はあっさりと成立した。