2021.12.23
# ドラマ # エンタメ

『カムカムエヴリバディ』なぜ安子は突然悪者になったのか…年をまたがず「るい編」に突入した理由

木村 隆志 プロフィール

なぜ“安子編”は年をまたがず終了?

最後にもう1つ、視聴者を戸惑わせている「なぜ年をまたがず突然終わったのか?」「なぜ“安子編”最終話はあんなに内容を詰め込んだのか」についても掘り下げておきたい。

半年間で3人の主演女優がリレーする当作は、単純に「1ヒロイン2ヵ月ペース」なら、“安子編”は22日ではなく、年内最後の28日まで放送することもできたはずだ。いや、むしろ28日まで放送したほうが、視聴者としては「“安子編”は年内までで、年明けから“るい編”か」とわかりやすかっただろう。

 

しかし、わかりやすさではなく、視聴者感情を第一に考えたとき、「22日で終了しておくほうがいい」という構成が浮上する。逆に言えば、安子とるいが引き裂かれた状態で、年をまたいでしまうほうがリスクは高かったのではないか。

“安子編”は視聴者に衝撃を与えながらも22日に終了させ、“るい編”の28日までの4話を放送することで明るさを感じさせて年内終了。視聴者は衝撃を引きずることなく、穏やかな気持ちで年を越すことができる。

るいを演じる、女優の深津絵里/photo by gettyimages

また、そんな構成を実現できるのは、2番手の主演女優が深津絵里だから。「深津なら『まだ視聴者が安子の物語を引きずっている』という難しい状況を乗り切れる」「年内放送の4話だけでも明るいムードを醸し出せる」と期待されているのだろう。

「親子ほど歳の離れた上白石萌音の娘という役」「現在48歳の深津が推定18歳の少女を演じる」などのツッコミどころも含め、役柄のハードルは高い。しかし、深津なら“安子編”の最後で芽生えた、るいへの感情移入を引き継ぎ、期待感を高めた状態で年越しにつなげられるのではないか。

“安子編”の最終話には、きぬ(小野花梨)の出産、雪衣のつわり、柳沢健一(前野朋哉)の帰還など、伏線を思わせるカットが詰め込まれていた。これらは“るい編”“ひなた編”の伏線となる可能性が高い。

『カムカムエヴリバディ』は一世紀を描くファミリーヒストリーだけに、安子、るいだけでなく、勇や算太のその後も含め、最後までさまざまな人間ドラマを凝縮したものになるだろう。

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