2021.12.23
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『カムカムエヴリバディ』なぜ安子は突然悪者になったのか…年をまたがず「るい編」に突入した理由

木村 隆志 プロフィール

「不幸」から「悪い」に変わった安子

今週に入ってネット上には安子に対する疑問や不満の声が急増していた。それも無理はない。

勇(村上虹郎)から長年の思いを込めたプロポーズを受けながらも保留。そんな状態であるにもかかわらず、るいを連れてロバート(村雨辰剛)と会い、まるで親子のように英語教材作りを楽しむ。

その後、街頭でロバートから花を贈られる姿を勇に目撃されてしまい、必死に弁明。勇は「(安子は)アメリカの男に心惹かれとる。やっと進駐軍に……兄さん殺した国に(野球で)勝った思うたら……」と最も負けたくない相手だったことから自暴自棄になり、雪衣(岡田結実)、算太(濱田岳)にも影響が及んだ。

さらに安子は千吉(段田安則)に雉真家を出て「たちばな」再建することを告げた。大阪でケガを負った自分と娘を迎え入れ、不自由ない暮らしをさせてくれた上に、おはぎの販売や兄・算太の居候を許し、ロバートの英語教材を手伝う余裕もあるなど、まさに至れり尽くせりの状態。そんな恩のある千吉への物言いとしては、あまりに一方的であり、ネット上には「図々しい」「不義理」などの声が挙がっていた。

 

千吉が「それがあんたの出した答えじゃったか。止めやせん。じゃけどそれはもう、るいとは暮らせんゆうことじゃ。赤ん坊のるいをあんたに任せた結果、どげんなった?」「雉真の子として生きていく。それがるいにとっては一番ええんじゃ」と告げたのは当然だろう。

安子は、るいと住めなくなってしまう危険性が高いのに、勇のプロポーズをスルーし、かたくなに「たちばな」の早期再建を進め、加えて「ロバートとも会い続ける」という自己中心的な人物のように描かれはじめていた。

視聴者の疑いが決定的になったのは、るいに別居を告げるシーン。残酷なことをしておきながら、ショックを受けた娘のそばにいてあげず、失踪した兄を探しに大阪へ。しかもロバートを頼り、るいを放っておいたまま、数日歩き回り倒れてしまう。

大事な小学校の入学式に出席できなかったことも含め、「るいを一番に考えている」と言いながらも、「るいは稔さんの子です。雉真の家から引き離すわけにはいきません」と同居をあきらめ、本人の気持ちを考えようとしていないことは明らかだった。

最後も、「二度と会いとうない。I hate you(大嫌い)」と一度言われただけであきらめてロバートとアメリカへ渡ることを決意。ネット上には、「『たちばな』再建と算太はもうどうでもいいのか」という声も多数挙がっていた。

これまで視聴者は安子に「不幸」という印象を持っていたが、ここにきて「彼女にも悪いところがある」という印象に変わったのだ。しかし、なぜ安子は急に悪者にならなければいけなかったのか。

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