日本人が囚われた「仕事は苦痛を伴うからこそ意味がある」というヤバい価値観

理想の働き方とはなにか

誰も見ない書類の作成、不要な仕事を生み出す上司、嘘に嘘を重ねた広告、価値がないとわかっている商品を広める広報……世界中でこうした「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」が増えています。

また、クソどうでもいい仕事とわかっていても、やめられず、苦しみ続ける人々が多くいるのです。さらには、クソどうでもいい仕事は高給である一方で、社会的価値の高い仕事ほど報酬が低いということもわかっています。

そうした世界的現象の「謎」をひもといたのが、大阪府立大学教授の酒井隆史さんによる『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』です。

 

以前、酒井さんは週刊現代の取材のこのように答えています。

日本では、労働は苦痛を伴うからこそ意味がある、という倒錯したモラルが特に根強い。たとえ無意味であってもその苦痛に耐えてこそ、道徳心や倫理観が養われるという考えがある。

こうした考えは人間としての可能性を狭めていると言えます。長時間労働と無駄な仕事により、悩まなくてもいいことに悩んでいる。

もっと人々がやりたいことを突き詰められれば、本来はより文化的に豊かな生活を送り、人間社会の可能性も広がっていくはず。しかし残念ながら、そうなっていないのが現状です。(『週刊現代』2021年3月13日号)

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