非民主国家中国が自画自賛する『中国の民主』白書、その驚きの中身【全要約】

民主の形態は多様とはいえ…

読者の皆様、こんにちは。近藤大介です。いつも『北京のランダム・ウォーカー』をご愛読いただき、ありがとうございます。おかげさまで今回、本コラムは連載600回を迎えました。

まだ日本が鳩山由紀夫民主党政権だった2010年4月、『現代ビジネス』編集部を一人で立ち上げたばかりの瀬尾傑編集長(現在はスローニュース株式会社代表取締役、テレビ朝日系列『大下容子のワイドスクランブル』コメンテーターとして活躍中)が、当時北京に住んでいた私のところへ、中国に関するコラムの連載を頼んできました。

『現代ビジネス』は、そうやって細々と産声を上げたのですが、いまでは多種多彩な連載陣を抱え、月刊PVが3.5億を超える日本有数のネットニュースメディアに成長しました。

本コラムも、読者の皆様に支えられ、「毎週1万字の中国分析」を続けております。自分としては、中国という巨竜の背中に掴まり、振り落されそうになりながら、必死に紙やすりでその鱗を削っているような面持ちです。その削り取った一部から、中国の本質を覗き見ることができればと思っています。

600回は一つの過程に過ぎません。日本にとって中国が重要な国であることは将来も変わらないので、1000回、2000回を目指して「紙やすりの作業」を続けて参ります。引き続きのご愛読を、よろしくお願い申しあげます。

Gettyimages

『中国の民主』白書とは何か

アメリカのジョー・バイデン大統領が12月9日と10日に、約110ヵ国・地域を招いて主催した「民主サミット」に対抗するため、中国国務院新聞弁公室が12月4日、『中国の民主』白書を発表した。A4用紙18枚にわたって、「中国の民主」を、これでもかというほどに自画自賛している。

最大のポイントは、「中国は非民主国家である」と主張するアメリカに対して、「民主の形態は多様であり、中国は中国式民主を実践している」と反論している点にある。つまり、「民主か民主でないか」ではなく、「アメリカ式民主か中国式民主か」ということに論点を置き換えているのである。

以下、『中国の民主』白書の着目すべき主張を、箇条書きにする。ごく一部を訳してもかなり長文になるが、感動してもらっても、驚いてもらっても、呆れてもらっても、笑ってもらっても構わない。「ザ・チャイニーズ・デモクラシー」の世界へようこそ、である。

 

【前言】
・民主は全人類の共同の価値であり、中国共産党と中国人民が、終始たゆまず堅持している重要な理念である。

・今年は中国共産党成立100周年である。100年前に誕生した時から、中国人民の光復を図り、中華民族の復興確立を、自己の初心であり使命であるとしてきた。そして人民が主人となることが実現するよう、たゆまぬ探索と奮闘を行ってきた。

・中国の民主は人民の民主であり、人民が主人となることは、中国の民主の本質であり核心である。

・民主は装飾品ではなく、立てかけておくものでもない。そうではなくて、人民が必要とする問題を解決してやるべきものである。

・一つの国が民主的かそうでないか、カギとなるのは、本当に人民が主人となっているかどうか、人民に投票権があるかどうか、さらに人民が広範な参与権を持っているかどうかを見るべきだ。人民が選挙の過程で得た何かの口頭の公約を見て、さらにそれらが選挙後にどれだけ実現しているかを見るべきだ。

・民主は各国人民の権利であり、少数の国家の特許ではない。一国が民主的かどうかは、その国の人民が評するものであり、外部の少数の人が指さして評するものであってはならない。

・単一の尺度でもって、世界の豊富多彩な政治制度を量ること、また単調な視点で人類の五彩紛々たる政治文明を鑑定すること、そうした行為自体が民主的ではない。

・民主は多様であり、世界は多彩である。世界の文明は百花繚乱で、中国の民主の花は絢爛百放だ。

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