いまさら聞けない、ウクライナ国境にロシア軍を大集結させる「プーチンの本当の狙い」

ウクライナ侵攻はありうるのか
北野 幸伯 プロフィール

米ロ首脳会談の結果

さて、情勢が緊迫化する中、バイデン、プーチン会談が12月8日、オンライン形式で行われた。

会談の映像は、冒頭のあいさつ部分だけで、中身は公開されていない。

しかし、サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)によると、バイデンはプーチンに、「ロシアがウクライナに侵攻した場合、米国は強力な経済措置を取る用意がある」「クリミア占領を阻止できなかった2014年の制裁よりも厳しい内容になる」と伝えたという。

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ここで、「米国はウクライナのためにロシアと戦闘する気がない」ことがはっきりとわかる。

では、「強力な経済措置」とは何だろうか?

サリバンも明らかにしていないが、米国メディアは、「SWIFTからの除外」をあげている。SWIFTは、日本語で「国際銀行間通信協会」という。ここから外されるとどうなるのだろうか?

「ナレッジ・インサイト」2020年2月6日付で、エコノミスト木内登英氏が解説している。

〈 SWIFTとは、ベルギーに本部を置く銀行間の国際的な決済ネットワークである。SWIFTには200以上の国や地域の金融機関1万1千社以上が参加しており、そのネットワークを経由しないと送金情報を伝えられず、国際送金ができない。

決済額は1日あたりおよそ5兆~6兆ドル(約550兆~660兆円)に上るとされ、事実上の国際標準となっている。中国を含め、米国と対立する多くの国々にとって大きな脅威であるのは、米国が経済制裁の実効性を高めるため、しばしばこのSWIFTを利用するということだ。

例えば、米国の経済制裁の対象となった国で、企業が制裁逃れを図って海外企業と貿易を行おうとしても、その国の銀行がSWIFTのネットワークから外されれば、資金決済ができないため貿易は難しくなる。〉

 

ちなみに、北朝鮮やイランは、SWIFTから外されている。ロシアが除外されれば、同国経済は、壊滅的な打撃を受けるだろう(ロシア経済は2014年のクリミア併合後、欧米日の経済制裁で、すでにボロボロになっている。2014年から2020年までのGDP成長率は、年平均わずか0.38%にすぎない)。

これが、バイデン政権のカードだ。

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