水着NGで明石家さんまに反論した芯の強さ

そんな佐藤優樹の歴史において、僕にとって特に印象深いエピソードがあります。

彼女はこれまで、ソロ写真集を意外にも1冊しか刊行していませんでした。アイドルとして10年間活動し、圧倒的な人気を誇っているにもかかわらず。
2018年に満を持して出版された佐藤優樹ファーストビジュアルフォトブック『三角の硝子』では、水着姿が掲載されていないことに関する彼女の自論が話題となりました。

アイドルともなれば、グラビアで水着になることは歴然とした仕事であり、ソロ写真集が刊行できるのを目標にダイエットに励むメンバーもいるでしょう。
男性ファンはもとより、女性ファンも「あんなスタイルになりたい」という憧れの的としてアイドルの水着グラビアを見たいと考える人は少なくない。
ところが、佐藤優樹は「裸なんて好きな人にしか見せないもの」「水着も下着と変わらない」として、この慣習に待ったをかけ、水着姿になるのを断固拒否したのです。

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歴代のハロー!プロジェクトメンバーがレギュラー出演してきたラジオ長寿番組『MBSヤングタウン土曜日』にゲスト出演した際、パーソナリティの明石家さんまからの「なんで水着がいやなの?」との突っ込みにも、「(女性の水着姿について世間が)軽々しく考えてる脳みそをどうにかした方がいい」「(水着になるのが)仕事なら、私に1億8千万円ほしい。ヌードは600億円」と、独特の価値観で反論しました。

当時この発言が議論を巻き起こし、「水着姿が1億8千万円なんて何様だ」「自意識過剰」と、ネットでちょっとした炎上騒動に発展。
しかし、僕はまーちゃんのこの発言に「この子を応援しよう!」と感銘を受けました。

佐藤優樹という国の言語を一般のみなさんにもわかりやすく翻訳するならば、「1億8千万円」とは「誰にも払えない額」の例えであったと僕は考えます。
「女性の体は、お金に代えられるものではない」「数千円の商品として消費されていいものではない」とまーちゃんは主張しているのです。
芸能界の大御所である明石家さんまに「(600億円なんて、君のヌードに)そんな値打ちあんの?」と揶揄されてもなお、「一人ひとりみんな(それくらいの価値が)ありますよ」と果敢に言い切っています。

なんて聡明な女性だろう。
もちろん、水着姿をファンに見てほしいと自ら率先して考えるアイドルがいてもいいし、それを期待するファンがいてもいいと思う。
しかし、これまで当たり前だったアイドル業界の慣習に疑問を持ち、あの明石家さんまにも物怖じせず自らの信念を主張したまーちゃんに、僕はかつてない新しい女性像を見ました。
これまで本当は水着になんてなりたくないと思いながらも口に出せなかったアイドルもいるでしょう。男性に屈しない彼女の姿勢に勇気づけられた女性も、きっと多いはず。
これもまた、女性ファンの多いハロー!プロジェクトで佐藤優樹が人気No.1になった所以なのかもしれません。

出典/モーニング娘。公式YouTube 
卒業後に発売されるモーニング娘。'21佐藤優樹フォトブック『prism』