「人間の形をしていますが、自分は白鳥だと思っています」

自分が知らなかったこと、理解できないことに直面したときに、ほとんどの大人は戸惑いを覚えるものだ。富山に暮らす一人の男性が、「私は人間の形をしていますが、自分は白鳥だと思っています」と語るのを見たら、誰もが、「この人は、ちょっと変わった人なんじゃないか」と思うのではないだろうか。

翼が折れて飛べなくなった白鳥に毎日餌をやり、見守り続けた澤江弘一さんの4年間にわたる記録が、ドキュメンタリー映画になった。全国で公開中の『私は白鳥』で、天海さんは初めて長編映画の「語り」を務めている。

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「『どんな映画だろう?』と思って見始めると、最初から澤江さんの白鳥への愛情が深すぎて、そのテンションの違いに面食らってしまったんです(苦笑)。でも、『どうしてここまで白鳥に固執するんだろう?』『変な人なのかな?』とドキドキしながら観ていくうちに、澤江さんの真摯な命との向き合い方に胸を打たれ、『私は(自分が)白鳥だと思っています』という言葉が腑に落ちるようになる。澤江さんは、自分のすべてをかけても守りたいものに出会えて、それがたまたま傷ついた白鳥だっただけなんですよね。一途に白鳥に愛情を注げる澤江さんの姿が純粋で尊くて、その愛情に、映画を通して共感することができて、私の心も浄化された気がしましたし、最後には、『澤江さん、変わった人かもしれないなんて思ってごめんなさい!』と、謝りたい気持ちになりました」

撮影/山本倫子