2021年も残すところあとわずか。「今年一番」だったものを振り返る季節となってきた。
2021年12月15日現在の国内映画興行収入ランキングで、実写版の1位に輝いているのが7月9日に公開となった映画『東京リベンジャーズ』だ。

(c)和久井健/講談社 (c)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

2017年から現在も「週刊少年マガジン」に連載中で、最新刊25巻も発売となった原作『東京卍リベンジャーズ』は、2021年9月までで累計部数4000万部を超える大ヒット作になった。映画も原作も多くの人に愛されたこの物語と映画の魅力を振り返る。

期間限定の1巻まるごと試し読みと合わせてお楽しみいただきたい。

最新刊の25巻

文/FRaUweb

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ヤンキーものと思って敬遠したら損をする

「ヤンキーものだと敬遠していて損をしたと思った」
「サイコーにかっこいい!」
「イケメンばかりで目の保養」
「エモい」
「映画を観た子どもにせがまれて漫画を買ったら自分がハマり、翌日最新刊まで大人買いしてしまった。そして映画を観に行ってさらにハマってしまった」

SNSにも多くの感想が寄せられている映画『東京リベンジャーズ』。本作は和久井健さんの漫画『東京卍リベンジャーズ』を実写映画化したものだ。

ご存知の方が多いとは思うが、改めて物語を簡単に説明しよう。

「ヤンキーもの」と書いている人もいる通り、これは「東京卍會(とうきょうまんじかい 東卍/トーマン)」という暴走族グループを中心にした物語。20代半ばでビデオ屋勤務のフリーターである「ダメ男」花垣武道が、万年床の荒れた部屋で見たニュースから物語は始まる。

かつての、そして唯一の彼女だった橘日向(ひな)が、弟のナオトと共に「東京卍會」の抗争に巻き込まれて死亡したというのだ。ショックを受けながらもアルバイトに出かけた武道は、駅で何者かに線路へ突き落され、目の前に電車が迫る――。と、目を開けると、そこには学生時代の自分と、仲間たちがいた。「そうか、これは走馬灯か」。死の直前のリアルな走馬灯だと武道は思う。

(c)和久井健/講談社

この学生時代の日は、ちょうど武道がダメダメ人生に落ちる「原因」となった日だった。自分たちより強い相手に喧嘩をふっかけた武道たちは、過去の通りボコボコにされ、「おまえらこれから『東京卍會』の兵隊な」と言われる。そう、中学生のときに東京卍會の兵隊となり、殴られて奴隷のような生活が辛すぎて逃げ出し、コソコソ生きる人生が「今」の武道だった。

学生時代にいる武道は、ボコボコにされながらも、生きている日向に会いに行く。そこで弟・ナオトと会った武道は、日向とナオトが将来殺されることを告げ、こう言うのだ。「この日を覚えとけナオト!! そんで姉ちゃんを守ってくれ!」と。

(c)和久井健/講談社

握手を交わす武道とナオト。その瞬間、「今」に戻った武道は、自分がナオトの手を媒介としてタイムリープすることができるようになっており、武道がナオトに将来のことを話したことで今が「ナオトが生きのびた新しい未来」に変わっていることを知るのだった。しかし日向は助かっていなかった。そしてナオトから頼まれるのだ。

「ボクに協力してください。君なら、姉さんを守れる!」

――と、ここは1巻の、まだ入り口である。こうして武道はタイムリープを使い、日向が死ぬという未来、そして仲間が苦しむ未来を変えるべく往復する。

そう、『東京卍リベンジャーズ』はヤンキーの世界を舞台にしているが、ひとりのダメ男が生まれ変わり、そして成長する物語であり、友情物語であり、青春物語で、恋愛物語で、タイムリープを描いたSFなのだ。未来は変わるのか、どのように変わるのか。改悪されたらどうなるのか――。

日向を演じるのは今田美桜さん (c)和久井健/講談社 (c)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会