あの星まで〇光年!? 宇宙の距離はどうやって測る?

宇宙の距離を測る新たな手法とは
田中 雅臣 プロフィール

銀河系の外の星は?

ではそれより遠い星はどうすれば良いのでしょうか? 

もっとも信頼度の高い方法の1つは「標準光源」を使う方法です。宇宙では事前に真の明るさが分かっている天体が存在します。有名な例は「セファイド変光星」と呼ばれる星や、「Ia型超新星」(イチエー型と読みます)と呼ばれる星の爆発現象です。

天体は同じ明るさをもっていても、遠くにあると私たちには暗く見えます。100Wと分かっている電球が近くにあるとより眩しく見えて、遠くにあると眩しさが減るのと同じ原理です。

見かけの明るさは距離の2乗で減っていきますので、この原理を用いることで、天体の見かけの明るさから天体までの距離を逆算することができます。

現在、セファイド変光星では5000万光年(5×10⁷光年=5×10²³m)程度離れた近傍銀河までの距離が、Ia型超新星では、50億光年(5×10⁹光年=5×10²⁵m)程度までの距離が測られています。

星のもともとの明るさはなぜわかる?

ここで1つ問題があります。そもそもセファイド変光星やIa型超新星の真の明るさはどうやって測られたのでしょうか? 

それには別の方法を使うしかありません。例えばセファイド変光星は銀河系にも存在しますので、年周視差を使って距離を先に決めることで、真の明るさを決めることができます。

しかし、Ia型超新星は銀河系では100年に1回程度しか見つからないため、この方法は使えません。

そこで、Ia型超新星が見つかった系外銀河の距離をセファイド変光星で決めることで、Ia型超新星の真の明るさが決められています。つまり、図2のように近くから順に距離を決めていくのです。

これは宇宙にはしごをかけていくような作業のため、「距離はしご」と呼ばれています。

【図】宇宙の距離はしご図2 宇宙の距離はしご

距離はしごは、より遠い宇宙までの距離を測る素晴らしい方法です。一方で危険性もあります。

もし地球に近い側の距離が間違っていると、より遠い距離の測定に全て影響してしまうからです。まさに、下の方のはしごが少し揺れると、上の方のはしごが大きく揺れてしまうのと同じです。

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