2021.12.11
# エンタメ # テレビ

万感の思いをこめて、瀬戸内寂聴さんへ。梅沢富美男の「ラブレター」

今度こそ、手をつないで……。

〈このたび、自身初の“本気のエッセイ集”『人生70点主義 自分をゆるす生き方』を発売した梅沢さん。クスリと笑える話からホロリと泣ける話まで、疲れた心にしみる「喜怒哀楽」をたっぷりと詰め込んだ同書は『週刊現代』の大人気連載をまとめたものだ。今回は、その連載から、11月になくなった瀬戸内寂聴さんに向けて、梅沢さんがありったけの思いを込めた「ラブレター」を掲載する〉

いつも、そこにいてくれると思っていた

「まさか……」

訃報を聞いた瞬間、その場で絶句しました。11月9日に亡くなった、瀬戸内寂聴さんのことです。

世の中には、お年を召してからもずっとお元気で、「この人は死なないんじゃないか」と錯覚させるような人がいる。寂聴さんこそ、その筆頭だったのではないでしょうか。

いつも変わらずニコニコとして、“そこにいてくれる人”。勝手にそう思い込んでいただけに、心にぽっかりと穴が空いたような気分です。

いろんな番組から追悼コメントを求められましたが、私ごときが大先輩の人生を語るのはなんだか憚られて、個別の取材はほとんどお断りしてしまいました。

 

とはいえ、私と寂聴さんには、浅からぬご縁がある。1ヵ月が過ぎたのを機に、ここで改めて思い出を語らせていただこうと思います。

もともと、私のカミさんが寂聴さんの説法の大ファンで、月に1回の「法話の会」に応募しては、せっせと京都にある寂聴さんのお寺「寂庵」にお邪魔していました。

寂庵の説法は大変な倍率で、運良く2席とれたときは、私も後ろをついていきました。

「人生、大体のことはなんとかなるわよ」

「逃げることも勇気よ」

寂聴さんの言葉は、説教らしくなくて、いつも人間の「心の弱さ」にやさしい。

終わると胸がポカポカしてきて、「遠路はるばる来てよかったなぁ」と思ったものです。

二人には知られざる縁があった イラスト:佐々木一澄

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