多様な文化を生まれるには、ある程度の人口が必要

私が日本に住むようになって感じたのは、さまざまな世代が多様な音楽を楽しむ文化があるということです。

例えば、日本では幅広い層がK-POPを聴いていますが、韓国では10代~せいぜい大学生まで。就職してからはみな忙しいので、音楽をじっくり聴く時間がありません。仕事が大変なのはもちろん、帰宅しても彼氏・彼女と電話で喋らないといけないし、SNSもやらなきゃいけないしで、とにかく時間がない。もちろんBTSが好きな40代もいますが、じゃあ毎回アルバムを買って、チケットの争奪戦を勝ち抜きコンサートにも行くかというと、それは本当に少ないです。

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そもそも40代、50代でコンサートに行くなんて、時間やお金を含め、あらゆる意味で余裕がないと無理、そんな感覚があります。うちの50代の伯母がまさにそうで、彼女はお金持ちなので暮らしぶりに余裕があるんです。だからテレビを観ていても、私より芸能人に詳しい(笑)。やっぱりお金があるから、エンターテインメントに興味を持てるんだな、と思いました。

日本だと、今もX-JAPANのYOSHIKIさんが人気だったり、TOKIOとか嵐とか、メンバーが30代後半、40代になってもファンがたくさんいるグループが多いですよね。年齢を重ねても違和感がなく、ファンも一緒に歳を取りながら普通に応援しています。韓国の芸能界と一般大衆の意識は、まだそこまでいっていない。コロナ禍で日本でも貧困問題がニュースになったりしていますが、そうはいってもやはり余裕があるからエンターテインメントに広く興味を持てるんだな、ということは感じます

韓国では、YOSHIKIのように多様な世代から長く愛されるミュージシャンは少ないという。photo/Getty Images

『多様な文化が共存するには、最低でも1億程度の人口が必要』というのを聞いたことがあります。日本は1億2千万人ですが、韓国はその半分の5100万人。なので、どうしても偏りが出てしまうんでしょうね

ただ、最近は少し韓国の状況も変わってきて、私が中学生の頃に流行った歌手が、今40代、50代になってまたテレビで歌っているんです。また、昔人気のあった曲が『今聴いてもいいね』とリメイクされたりしています。これは、韓国の文化が蓄積されてきたからなのかもと思っています」(Jちゃん)

BTSも楽曲制作に関わったり、ピアノやギター、トランペットなどの楽器にもチャレンジしていますよね。そして、今回JYPという大手芸能事務所が久しぶりにボーイズバンドに力を入れています。そう考えると、前とは違う形で、韓国のバンド文化が若い世代にも広がり、変化していく可能性は大いにあるかもしれませんね。

構成・文/上田恵子

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