韓国の高校でバンド活動はありえない!?

さらに、音楽=バンドに向かわない理由は、韓国の中高生のライフスタイルも大きく影響していると思います。

そもそも韓国では、日本のように中学・高校時代に軽音楽部で楽器に触れて、そこからバンド活動を始めるという文化がありません。部活動はありますし、文化祭などで演奏する人もいます。でも、残念ながらレベルがものすごく低いですね。

「それに韓国では、高校生の部活動そのものが絶滅しています。高校時代に日本のようにちゃんとした部活動をする人はまずいません。やってもせいぜい最初の1年間だけ。2年生、3年生になると、その時間はすべて受験のための自習に充てるのが普通です」(Jちゃん)

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韓国の部活は日本の形態とは異なり、1週間に1回、1時間ほどあるだけです。でも大抵の高校では、それすらやりません。なぜなら親に殺されるから(笑)。「子どもに勉強させないで何やってんの!? 部活をするために通わせてるんじゃない!」と抗議されるからです。

なんと部活だけでなく、体育の授業ですらなくして、自習にあてる学校も多いです。韓国は日本以上に受験社会なので、勉強をする人、スポーツをする人がはっきり分かれています。スポーツをする人は勉強をしないでスポーツだけするんです。私が通っていた中学校・高校は運動場が4つある広い学校で、野球場もちゃんとした設備がある有名なところでした。野球をするために引っ越してくる生徒もいたくらいです。でも、そういう子はプロ志向ですから、野球の練習だけ必死でやって、授業中は寝ていました(笑)。

「これはバンドも同じで、メジャーデビューを狙ってプロ志向でやっている子は、学校を中退してバンド活動に専念するケースが多いです。そこまでではない人は、とりあえず大学に入ってからバンドを組んで楽しむという感じになります」(Jちゃん)

Netflixの人気ドラマ『賢い医師生活』でも、大学時代の同級生の5人の医師がバンド活動しているシーンが出てきます。彼らのように、社会人になってから趣味でバンド活動を楽しんでいる人はいます。私の知り合いでもいますよ。でも、すべては「受験が終わってから」という感じです。

Netflix配信中の『賢い医師生活』では、医大生時代から続く40代の医師たちのバン活も描かれる。写真/tvN公式ドラマサイトより

もしも韓国で、高校生の息子から「バンドやりたいからギター買ってください」と言われて買ってあげる親はまずいません。それに、女の子にモテたいからという理由で始めるなら、バンドよりダンスです。日本と違って、韓国ではバンドをやっている人は、少し貧弱で貧乏に見えるせいか、残念ながらあまりモテないのです。