メディアが報じない…日産ゴーン事件の弁護人がいまだから明かせる「あの時の後悔」

無罪弁護人・弘中惇一郎が語る

「なぜ悪人の弁護をするのか?」とよく聞かれる。その時、生涯弁護人・弘中惇一郎はこう答える。「なぜあなたは悪人と言うのですか」。悪人かどうかは判決が出るまでわからない。だから徹底的に調べ、考え、訴える。

逆転無罪がすべて

プライベートなお喋りをした記憶はなく、飲食をともにすることもなかったけれど、カルロス・ゴーンさんの人柄に触れたことは何度かあります。

保釈中、平日はほとんど毎日私の事務所にやってきましたが、ゴーンさんには、交通手段の問題がありました。世界中に顔を知られているので、地下鉄を使うのは無理ですし、行き帰りにタクシーを拾うのも大変です。そこでハイヤー会社と契約をして、送り迎えを頼むことにしました。

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引き受けてくれるところを見つけて、「こういう条件でやっと見つかりましたよ」と告げました。

喜んでくれるだろうと思っていましたが、彼はこう言ったんです。

「相見積もりを出してほしい」

きわめて合理的な考え方をすることはよくわかっていましたが、まさかここまで徹底しているとは、びっくりしました。

こんなこともありました。事務所内でたまたま顔を合わせた時、彼は「UberEats」で昼食を取り寄せていました。

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