2021.12.11

最悪の場合は死に至る…12月に「やってはいけない」危ない風呂の入り方

「恐怖の12月」に備える

寒い季節は、温かい湯船に浸かることが何よりの贅沢だ。だが、この至福の瞬間は、あなたを死に至らしめる危険を秘めている。この冬、風呂場と温泉を死に場所にしないために、何ができるのか。

9月の7倍死んでいる

「日本救急医学会が2014年に行った調査から推計すると、入浴中に命を落とす人は、全国で年間約2万人と言われています。なかでも、12月は入浴中に死亡する人の数が急激に跳ね上がることで知られているのです」

こう警告するのは、多摩平の森の病院の高橋龍太郎医師だ。

冷え込みが厳しくなる季節には、凍えた身体を温めてくれる毎日の入浴が楽しみになる。しかし、冬本番を迎える12月は、入浴中の事故で多くの人が命を落とすことが確実視される恐怖の1ヵ月だ。

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'19年に発生した浴槽内での不慮の溺死・溺水による死亡事故を対象に、消費者庁が行った調査によると、12月の死者数は、亡くなった人がもっとも少ない9月の7倍以上となっている。

浴室で発生する死亡事故の原因は主に「ヒートショック」と「浴室熱中症」の2つである。

東京都市大学人間科学部教授で医師の早坂信哉氏が解説する。

「ヒートショックとは、急な温度の変化に身体が耐えられず、血圧が急激に上がったり下がったりしてダメージを受ける現象です。寒い脱衣所や風呂場から、熱い湯船に急に浸かった時に生じやすく、血管が耐えられずに脳卒中や心筋梗塞を起こして死に至るのです」

入浴中の血圧の変動については、国際医療福祉大学大学院の前田眞治教授が、健康な20代から40代の男女8人を対象に実験を行っている。

この実験によると、脱衣所では平均して約100mmHgだった収縮期血圧(上の血圧)が衣類を脱いだ後には約115、湯に入った瞬間には約140にまで跳ね上がった。その後、10分間湯に浸かっていると血圧は90まで下がったことが確認されている。わずか10分程度で最高血圧が50も変動してしまうのだ。

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