2021.12.10
# ライフ

父親が死んで、空き家になった「田舎の実家」…相続中に起こった、70代歳男性の悲劇

将来のためにと、持ち家を二世帯住宅に建て替えたのち、嫁と姑のバトルが勃発。地獄の生活の後の顛末は、前編の「持ち家を「二世帯住宅」に建てかえて、家庭が崩壊した78歳の「夫婦の悲劇」」でお伝えしたとおりだが、老後、家をめぐるトラブルはほかにもまだまだある。老後そんな想定外の事態に陥らないための備えを後編でもさらにお伝えする。

大切な時間だけが過ぎていった

〈家は兄弟で分けること〉

震えた筆跡で書かれた紙を手に、岡部義徳さん(72歳・仮名、福岡県在住)は途方に暮れていた。白寿で亡くなった父の自宅で、棚から見つけた「遺言書」。捺印も日付もなかったため、法的な効力はない。しかし、頑固だった父の顔が浮かび、無視するのも気が引けた。

「実家の相続はずっと前から気にはなっていたけれど、なかなか着手できないまま、その日が来てしまいました。弟と相談して、とにかく片付けから始めるか、ということになったのですが……」

父は元農家で、空き家となった実家の納屋には、昔使っていた古い耕運機や脱穀機が錆びついたまま置かれていた。材木や竹材、トタン、さらには農薬も出てきて難儀した。

イメージ写真です(Photo by iStock)イメージ写真です(Photo by iStock)
 

「遠いので、週末にしか作業できない。自力では全て捨てられず、最後は業者を呼びましたが、納屋からガラクタを全て出すだけで4ヵ月もかかってしまいました」

合間に、庭で伸び放題になっていた草や植木を刈る。ようやく相続の手続きに入れたのは、父が亡くなって半年以上が経ってからだった。

だが、ここで重大な事実が発覚した。岡部さんの実家は未登記建物だったのだ。しかも、土地の名義人は岡部さんの祖父のままになっていた。

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