「血みどろ」でも後味が悪くない

かつての韓国ドラマと言えば、主人公に「身分の違いや格差」「出生の秘密」などの困難が次々と降りかかり、恋愛が引き裂かれたり、恋人が記憶喪失になったり、やっとのことで幸せを手に入れようとしたら病魔に侵されたりなど、波乱万丈がお約束のストーリーが王道だった。

しかし、これらの王道ストーリーは今や影を潜め、最近の作品には韓国社会が抱える社会的な問題に皮肉やユーモアを交えながら深く切り込んでいるものが多い。サスペンス、ミステリー、ホラーであっても、主人公とその周囲の人々の人間模様が豊かに描かれており、登場人物たちに感情移入がしやすい。

後半の主人公ともいえるTVプロデューサーのペ・ヨンジェを演じるのは、「演技の天才」の異名を持つ若手実力派パク・ジョンミン/『地獄が呼んでいる』

単なる血みどろやバッドエンドであるだけの作品でれば「後味が悪い」という感想しか残らないだろうが、『イカゲーム』や『地獄が呼んでいる』は視聴者に様々な考察をもたらすようなメッセージ性の強い作品であったからこそ、一般受けしないジャンルにもかかわらず、ここまでのヒットを記録したのではないだろうか。

「イカゲーム」の参加者の番号についてもさまざまな考察が繰り広げられた/『イカゲーム』より

『地獄が呼んでいる』の配信は全6話だが、『イカゲーム』と共に、来シーズンへの期待とどこまで人気の勢いが続くが注目されている。

世界的ヒットを飛ばし続けている「Netflix×韓国」のドラマ。ヒット作が増えるほど視聴者の期待度が高まり、それに応えることは容易ではないだろう。しかし、Netflixとの取り組みの中で蓄積されたノウハウを活かして、韓国ドラマが今後さらにどんな進化を遂げるか注目したい。

Netflixシリーズ『イカゲーム』と『地獄が呼んでいる』は独占配信中