2021.12.10
# エンタメ

追悼・三遊亭円丈…「伝説の人」が落語界に起こした「革命」とはなんだったのか?

自省的・文学的な落語

三遊亭円丈が亡くなった。

寄席や落語会でこの人を見かけるたびに、「伝説の人」とおもって眺めていた。

円丈は、私にとっては生前からすでに伝説上の落語家だったのだ。

名人と呼ばれる落語家たちはいつの時代もいる。

客を沸かせ、魅了し、うまいなあと唸らせる人たちである。

ただ、その人が出現したことによって落語そのものの歴史が変わった、という人はそう幾たりもいない。

 

元禄期の鹿野武左衛門、天明期の烏亭焉馬、明治初期の三遊亭圓朝など、彼らは自ら落語そのものを創作し、それを多くの後継者たちに伝え、落語そのものの形態を変えていった。

まさに斯界の「巨人」とも言うべき人たちである。

私がおもうに、三遊亭円丈はその流れにある特異な落語家である。

彼は確実に落語の流れを変え、21世紀の落語世界の新しい流れを作った。

寄席で彼を見るたびに、「この人はもはや伝説の噺家なんだよなあ」と眺めながら、同時に「にしてもあいかわらず場の空気と関係ない大声で話すよなあ」とおもって見ていた。

独自の落語を作り続けた

「新作落語」の人である。

独自の新作落語を作り続けた人であった。

三遊亭円丈は、六代目三遊亭圓生の弟子である。

六代目圓生は、昔から語り継がれる落語をきちんと演じ、またそれを後世にきちんと伝えようとした正統派の落語家だ。「圓生百席」というレコードを残し、江戸落語をきちんと伝え、実際にいまでもその音源は重宝されている。

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