携帯電話会社のキャリア決済枠の現金化
ある人は借金とは病であり業だと言う。すべての借金返済を誓い、住み込みの期間工として働いている間でも、やはり人は何かあるものである。とくに贅沢はしなくとも、人づきあいであったり、日々の勤務で嬉しいことがあれば自分にささやかながらも自分にご褒美をあげたくなるし、嫌なことがあれば憂さも晴らしたい。結局、債務整理した直後から、再び借金地獄に身を置いているという。
それにしても債務整理してクレジットカードなど持っていない、ましてや消費者金融からも借り入れできない。いわゆる“金融ブラック”の彼が、どうやって借り入れを行い、借金を重ねたのだろうか。
「携帯電話、今ではスマホですが、携帯電話会社のキャリア決済枠の現金化です」
42歳男性は、モーニングセットのサンドイッチを頬張りながら静かに言う。

現在、docomo、au、Softbankといった主要キャリア会社では、利用状況に応じて携帯電話1台あたり5000円から10万円程度(docomoの例)のショッピング決済枠が設けられている。このキャリア決済枠は、あくまでも取材の限りだが、債務整理、自己破産といった過去を持つ人、いわゆる“金融ブラック”の人複数人に尋ねたが「(キャリア決済のショッピング利用)枠を取り上げられることはなかった」と口を揃える。
つまり金融ブラックでも携帯電話契約をしている限り、資金調達が可能だということだ。