中露合同パトロールが活発化…繰り返される“挑発”に今、警戒が必要な「本当の理由」

「海上連合2021」で見えたこと

本年の秋以降、中露合同によるわが国周辺での示威行動が活発化してきている。

まず手始めは、10月14日から17日までの間、ロシアの海・空軍と中国海軍が日本海北部のウラジオストック沖ピョートル大帝湾付近の海域などにおいて、中露合同軍事演習「海上連合2021」を実施した。この「海上連合」と呼称される中露二国間の合同軍事演習は、2012年以来、年1回を基準に実施されているものである。

当初、このウラジオストック沖の海域から始まった本演習は、徐々にエリアが拡大され、2016年には南シナ海で、2017年にはオホーツク海で、2019年には黄海の青島(チンタオ)沖で行われた。

昨年(2020)は新型コロナの影響で中止となったが、本年はこの2019年の演習をさらに深化させたような形で場所をロシア側(日本海)に戻し、初めて外国との共同訓練に参加した中国最新鋭のレンハイ級ミサイル巡洋艦「南昌(なんしょう):CG-101/13,000トン級」を始め、両軍のディーゼル(攻撃型)潜水艦や航空機も参加して、水上砲射撃や対潜戦、機雷掃海などの分野における共同訓練が行われた。この演習内容や参加艦艇などを見ても、年々その規模も質も向上していることが窺える。

レンハイ級ミサイル巡洋艦「南昌(なんしょう):CG-101/13,000トン級」/防衛省・統合幕僚監部HP(報道発表資料)より
 

特に、今回見逃してはならないのが、中国海軍の潜水艦が参加していたことである。

中国側の報道では、これについて一切触れられていなかったが、中国の潜水艦が日本海で活動しているのが公に確認されたのはこれが初めてであると思われ、参加した他の水上艦艇に先行してこの海域に移動していたものと考えられる。しかし、他の参加艦艇と異なり、この潜水艦の対馬海峡通過を防衛省は公表していなかった。

おそらく、この潜水艦は海上自衛隊の監視網をかいくぐるため、潜没又は(夜陰に紛れるなどして)潜望鏡深度などで通峡したものと考えられる。つまり、もし何らかの手段で海上自衛隊がこの通峡を察知していたとしても、これが公表できるような安全な形態(昼間帯に国旗を掲げて浮上航行)での通峡ではなかったということだ。

対馬海峡は国際海峡であり、わが国はここを特定海域に指定(海峡中央部は公海)していることから、法的な問題はないとはいえ、すでにこのような形態で日本海に入って活動しているという実態を考慮すると、わが国の安全保障上看過できない事象であることは銘記しなければならない。

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