ちなみに1月受験で不合格を食らうと、思う以上にキツイ思いをします。
何年か前、1月受験が不合格で、こたつの中でシクシクと泣いた女生徒がいました。お母さんによると、その子はひとしきり泣いたあと美容室へ。髪をバッサリ切って、そこから猛然と、かつてないほど勉強を始めました。そして2月の結果は見事2校合格。今は楽しく、そのうちの一つの学校に通っています。

1つの不合格が良い方向に向かうことも…Photo by iStock

このケースは、1個の不合格が合格へ導いた例です。ただし、親子ともに、かなりメンタル的には厳しい入試期間だったようです。
また残念ながら逆もあり、1月受験で合格して、すっかり浮き足立って2月の本命校で油断してしまう子も、数年に一度は出ます。それはそれで、その子の人生勉強ではあります。

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本番ではあらゆる想定を

現在の中学受験では、一日の間に、午前、午後入試を設けるところもあり、受験機会も増えています。学校によっては複数回受けられるところも。
複数回受験は心理的には安心材料のようですが、ここに落とし穴があります。
受けるほど合格の可能性が高まりそうですが、実際は逆。子どもにとっては、不合格を食らうほど、メンタルは削られていくと考えてください。たまに強靭な精神力を見せて、最後の最後に合格を勝ち取る子もいるにはいます。けれども多くの場合、入試回数を重ねるほど心身の疲れがたまり、どうしてもパフォーマンスが落ちていきます。

ごくまれに、
「合格率20%の学校も5回受けたら、1回は合格できるのでは?」
などと、とんでもない勘違いしている方もいるので、要注意です(ンなわけはない!)。
あと、先入観にとらわれず、あらゆる学校の情報を調べて、受験を想定しておくことも大切です。

僕が知る限り、「2月1日、2日、3日、4日と不合格を連発して大あわて。見かねたママ友から、見たことも聞いたこともない学校の願書を譲ってもらって、出願と同時に受験してようやく合格」
という家庭もありました。念のため、この原稿のために確認したところ、その子は楽しく6年間通い、大学も良いところへ進学。今は立派な社会人となっていました。

「見たことも聞いたこともない学校」が入試期間中に、突然浮上する話は、わりとよくあります。御縁があるところにはあるんです……ともいえますが、やはり本番であわてるよりは、あらゆる事態を考えて、備えておく方が賢いといえます。