観光地を案内してくれる約束をしたが…

私は毎日昼にフルーツを買いに行き、青年と少しずつ会話をするようになっていったのだが、意外にも日本語はほんの片言レベルで意思の疎通が難しい。私の片言のスペイン語と互いの拙い英語力でなんとか会話することができたが、彼自身も自分のルーツである日本人のことを知りたいという好奇心に溢れているようだった。

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アルベルト(仮名)という30歳の青年が働く果物屋さんに通い詰めること4日目。彼は日系3世ではあるものの、日本についてはそれほど詳しいわけではなく、日本人のような顔をしたペルー人という感じだ。

アルベルトは次の休みに私をリマの名所に連れて行ってあげたいということで私たちは数時間一緒に過ごすことになった。

標高3800mを越える天空の湖「チチカカ湖」に浮かぶ「ウロス島」はペルーでは見逃せない観光地。島はトトラと呼ばれる「藁」で作られており、そこに暮らすウル族の生活・文化などが体験でき、トトラ製の船にも乗ることができます。写真提供/歩りえこ

宿に迎えに来るということで待っていたが、アルベルトは一向に来る気配がない。心配になって宿のご主人に話したら「ペルー人は日本人みたいに時間ぴったりには来ないよ」と言われた。さすがはラテン……。

結局1時間ほど遅れてアルベルトは到着したのだが、手には小さな花束を持って私に手渡してくれた。荷物は持ってくれようとするし、ドアも開けてくれて、レディファーストが徹底されているのがペルー文化のようだ。

彼の車でリマの観光名所を巡った後、海沿いのレストランへ行き、ペルー料理で一番有名なセビーチェを食べたりして、最後に宿まで送ってくれた。

「君ともっと話してみたい。また会えるかな?」

私はナスカやマチュピチュを巡る予定があったので、またリマに戻ってきたら再度デートしようということになりEメールで連絡を取り合うことになった。

アルベルトと行った海沿いのレストラン。セビーチェが美味しかった。写真提供/歩りえこ