2021.12.09
# 自動車

日本のクルマ「EV化」のウラで、これから「自動車工場の町」に起こるヤバすぎる事態

消えた「パジェロの町」

日本の自動車メーカーは、下請けとの「共存共栄」をモットーとしてきた。前編の「EV化で大ピンチ…ここにきて、自動車メーカーの「下請け工場切り」がいよいよはじまった」に記した豊田社長の言葉も、そうした意識から出たものだろう。しかし、それでは海外勢とは渡り合えない。

EV量産の先駆者である米テスラは、製造拠点を分散させず、電池もボディもモーターも巨大な自社工場で作る。パーツはなるべく一体成形にして、工数を減らす。機材を集約すればするほど効率が上がり、工場からの排ガスや二酸化炭素排出も減って、脱炭素の要求も満たせる。一石何鳥にもなるのだ。

Photo by gettyimagesテスラのCEOイーロン・マスク氏[Photo by gettyimages]
 

日本の大手も、このノウハウを遅れて追いかけ始めた。真岡市内の自動車部品工場へ検査機器などを納入している、堀ノ内産業の社長・手塚政男氏が証言する。

「真岡とその周辺の工場では設備の集約が始まり、分散していた製造ラインが他地域の工場へまとめられています。例えば、真岡の北隣にある芳賀町にはホンダエンジニアリングというホンダ子会社のオフィスと工場がありましたが、昨年4月に本社に統合され、他の拠点に機能が移されました。

弊社の収益の柱の一つは、工場にある機材のメンテナンスです。工場が縮小すれば、それだけ仕事も減る。今後もこの合理化の流れは止まらないでしょう」

工場が閉まると、そこで働く人がいなくなり、下請けの仕事がなくなるだけではない。工場から別の工場へ部品を運ぶ物流業者、製品の保管場所を提供する倉庫会社、施設の清掃業者、従業員食堂や売店の管理業者に、備品・消耗品を納入する業者……それらが丸ごと壊滅してしまう。

つまり、町が一つなくなるのに匹敵する大打撃を地域にもたらすのだ。

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