2021.12.15
# 不動産

実家の援助で「5800万円のマイホーム」をたて「家庭が崩壊」した、ある夫婦の悲劇

家がトラブルの原因になりうる

家というものは、ただ単に生活の場であるだけでなく、住んでいる人が安心して鎧を脱げる「自分の巣」でもあります。だからこそ『マイホーム』という言葉に人は心を揺さぶられ、年を重ねたり家庭を持った時には、『家が欲しい』という思いがそれまでより強くなるのではないでしょうか。

時代とともに賃貸派も増えましたが、それでも自分の巣を確保したいという気持ちから、一度は『持ち家』ということを意識するのでしょう。晴れた日のベランダに所狭しと干されている大小さまざまな洗濯物は、幸せの象徴に思えてしまうのは私だけではないはずです。

ところが一転、この『家』こそがトラブルの源になることもあり、次への足かせになることもあります。司法書士として多くの離婚を検討するご夫婦の相談にのってきましたが、問題解決まで時間がかかったのは、すべて『家』が原因でした。

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京子さん(仮名・42歳)は困り果てた表情で、当事務所に来られました。原因は家です。結婚13年目で離婚をしようと思ったものの、持ち家が思ったような価格で売れそうにもなく、離婚したくてもできないという状況でした。

「買ってまだ3年半なのに、ローン残高以上では売れず、賃貸にするとしてもリフォームしなきゃいけないようで。そこまでして貸しても、その費用で住宅ローンを支払うと残りはほんの少し。私と娘たちが住む部屋も、借りられません。

ローンも主人が組んでいるので、専業主婦のわたしでは借り換えもできません。どうしたら良いのでしょうか」

夜も寝られないようで、憔悴しきった様子でした。

京子さんには10歳と7歳のお嬢さんがいます。上のお嬢さんの小学校入学を機に、5800万円の戸建てを購入しました。

両親からの愛情を一心に受けた、ひとりっ子の京子さん。購入時に京子さんの父親が、「可愛い孫のために」と、1000万円の贈与を提案してくれたのです。郊外の住宅地で、孫をのびのびと小学校に通わせてやりたい、その強い思いからの申し入れでした。

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