フェイスブックの社名変更、なぜ「あのタイミング」だったのか…?

背後に見えるザッカーバーグの無邪気さ

「メディア」と呼ばれたくなかった

Facebookは、2021年10月28日に社名の変更を発表した。新たな名はMeta、これからはメタバースの会社になりますよ、という表明だった。確かに数年前からマーク・ザッカーバーグがVR (Virtual Reality)技術を使ったデジタルコミュニケーション世界、すなわちメタバースに関心を寄せているのは折りに触れ伝えられていた。

メタバースとは、ニール・スティーブンスンのSF『スノウ・クラッシュ』で広まった概念だ。3DCGで構築されたデジタル世界を、ユーザーの化身であるアバターを使って闊歩する。そのメタバースを現実にするという宣言だ。原書の出版は1992年で、1984年生まれのザッカーバーグは当時まだ8歳。子どもの頃に彼が抱いた夢の世界とは、どうやらゲーム世界の拡張版のようなメタバースの世界だったようだ。

Meta Platforms, Inc.のマーク・ザッカーバーグCEO[Photo by gettyimages]
 

とはいえ、なにぶんにも前回前々回で扱ったFacebook PapersやFacebook Filesのスキャンダルのさなかでの社名変更である。体の良い目くらましとみなす報道も少なくなかった。空気を読まないザッカーバーグの子どもっぽい性格がよく現れていると皮肉る声もあった。

なかにはメタバース事業を進めるために社名を「メタ」に変えるという「ベタ」なことをした時点で、本当のところ、メタの意味をわかってないんじゃないの?という揶揄もあったのはご愛嬌か。

それにしても、Twitterがソーシャルメディアとしての認識を受け入れ、それにふさわしい会社の振る舞い方を模索しているのに対して、ザッカーバーグは何があってもFacebookをソーシャルメディアという形に封じ込められたくないらしい。

実際、今回のFacebookの改名後の新社名も、よく見ると単なるMetaではなくMeta Platforms, Inc.だった。どうしてもメディアではなくプラットフォームと言いたかった。メディア=報道機関として規制されるのだけはごめんなのだ。「うちはメディアじゃなくて、プラットフォームなんです!もうソーシャルメディアとか言わないで!」という感じだ。

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