2021.12.14
# 読書

「ラノベ」より「児童書」が人気…!? 学校読書調査から見える意外な“中高生の読書事情”

毎日新聞社と全国学校図書館協議会(全国SLA)が全国の小中高生を対象に毎年実施している「学校読書調査」の結果が「学校図書館」2021年11月号(全国学校図書館協議会)に発表された。

そこから見える2021年らしい動向について2つほど書いてみたい。

 

中2以上女子で「TikTok売れ」が顕著に

2021年にはTikTokで小説を紹介するけんごの取材記事が無数に作られたが、学校読書調査上でもTikTokの影響は確認できる。

「今の学年になってから読んだ本」においてTikTok売れの代表的なタイトルである『桜のような僕の恋人』『余命10年』『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』などのライト文芸作品が中2以上の女子のランキングで上位に入っている。

「学校図書館」2021年11月号(全国学校図書館協議会)、45pより引用。女子のランキング

いずれのタイトルも、実はTikTok売れが始まる以前から学校読書調査上で確認できる人気作だったが、2021年にはもう一段階跳ねている印象がある。

というのも、高校生は1~3年生の男女合わせて約5000人を対象に調査しているにもかかわらず、例年、高校2,3年になると読んだ本ランキングで1位になる本でも数人しか挙げないのだが(たとえば2019年調査では高2女子1位の『君は月夜に光り輝く』は8人、高3女子1位の『君の膵臓をたべたい』などは6人)、2021年調査では高2女子1位は21人、高3女子でも15人が『桜のような僕の恋人』を挙げているからだ。

高校生の平均読書冊数自体は2019年調査1.4冊、2021年調査1.6冊とほとんど変わっていないため、「TikTokの影響で読書冊数が増えた」とまでは言えない。また、集計方法をそれまでの「5月1か月間に読んだ本」を「いくらでも」挙げる方式から、「今の学年になってから読んだ本」を「3つまで」挙げる方式に変更した結果なのかもしれない。それでも、『桜のような~』以外も含めて、挙げられているタイトルの読書人数の増え具合は印象的だ。

なお、男子ではこういう現象は起こっていない。高2男子1位の『神様のカルテ』『桜のような僕の恋人』『人間失格』はいずれも7人、高3男子1位の『君の膵臓をたべたい』も7人に留まっており、女子だけ例年より増えている。

また、中高生女子で『死にたいけどトッポッキは食べたい』『私は私のままで生きることにした』『82年生まれ、キム・ジヨン』といった韓国エッセイ、韓国文学が入っているが、これは前回2019年調査までは見られなかった傾向である。

一般文芸では、従来からの東野圭吾『マスカレード』シリーズや住野よる作品に加えて、2021年で目立つのは、中高生女子からの『推し、燃ゆ』『かがみの孤城』の支持が熱いことだ。『かがみの孤城』は2019年調査では高1女子でのみランキング上確認できるが、21年調査では中3~高3女子で上位にある。

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