ロシア「ウクライナ侵攻計画」プーチンの強気の背景にある中国との“準同盟”関係

今では「中国が上でロシアが下」

米露首脳会談に世界が注目

まさに「年末に危機あり」である。

先週、米『ワシントンポスト』(12月3日付)が、衝撃的な記事を掲載した。タイトルは、「ロシアがウクライナに対する17万5000人の軍人を含む大規模な軍事攻撃を計画していると、アメリカの諜報機関が警告」。

記事はかなりの長文だが、要するに、このまま行けば、年明けにもロシア軍がウクライナに侵攻すると、アメリカの諜報機関が警告しているという。2014年3月にロシア軍がウクライナのクリミア半島に侵攻し、併合してしまった時よりも、世界に大きなインパクトを与える可能性がある。

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今回、ロシアは、武力行使に出ようとしている理由を、「ウクライナ及びジョージアが、NATO(北大西洋条約機構)に加盟しようとしているから」としている。周知のように、1991年のソ連崩壊によって、東側陣営の軍事同盟だったワルシャワ条約機構は消滅したが、西側陣営の軍事同盟であるNATOは、社会主義圏の東欧諸国を次々に吸収し、拡大していった。

アイスランド、アメリカ、イタリア、イギリス、オランダ、カナダ、デンマーク、ノルウェー、フランス、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルク、ギリシャ、トルコ、ドイツ、スペイン、チェコ、ハンガリー、ポーランド、エストニア、スロバキア、スロベニア、ブルガリア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、アルバニア、クロアチア、モンテネグロ、北マケドニア……いまや加盟国は、30ヵ国に上る。

 

このように、現時点でほとんど「ロシア包囲網」となっており、ロシアからすれば、さらにウクライナとジョージアが加盟することは絶対に許せないというわけだ。そのため、「ウクライナとジョージアが将来的にもNATOに加盟しないという正式な文書での保証」を、NATOに要求している。要はアメリカに、「これ以上NATOを拡大するな」と迫っているのである。

この危機を受けて、12月2日にストックホルムで、アントニー・ブリンケン米国務長官と、セルゲイ・ラブロフ露外相による米露外相会談が開かれた。だが、双方の主張は平行線を辿った模様で、両外相が決めたのは、「両国のトップ同士で決めてもらおう」ということだった。

ラブロフ外相が単なる「プーチンの犬」に過ぎないことは「国際常識」だが、ブリンケン国務長官の「能力不足」も、このところ顕著になりつつある。今年一年のブリンケン国務長官を見ていると、まさに「言うだけ番長」という表現がピッタリくる。いつも素晴らしい計画を立て、正しいことを主張するのだが、実行が伴わないのだ。

もっとも、そのことはブリンケン国務長官の責任というより、ボスであるジョー・バイデン大統領の責任である。要はバイデン政権自体が、「口だけ政権」なのだ。ウラジーミル・プーチン大統領は、そうした状況を見透かして、ウクライナに脅しをかけているのである。2014年のクリミア併合の時もバラク・オバマ民主党政権時だったし、おっかないドナルド・トランプ共和党政権時には、蛮行には出なかった。

ウクライナ問題は結局、本日(12月7日)行われるバイデン米大統領とプーチン露大統領のオンライン米露首脳会談に委ねられることになった。世界が注目する年末の「大一番」である。

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バイデン大統領は3日、記者団に向かって「プーチン氏が行動を起こしにくくするための包括的で有効な方策を練っている」と述べた。だが、途中で何度もせき込んでしまい、心もとない。79歳を迎えたばかりの歴代最高齢のアメリカ大統領が、米露首脳会談で決着をつけられなければ、いよいよウクライナは「年明け開戦」に向かっていく――。

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