韓国で広がる教育格差

そして、韓国の教育自体にもこの10年の間に様々な転換が起こっている。かつては小学校から中間・期末の定期考査(試験)が行われ、「大学受験の始まりは幼児教育から」という雰囲気があった。今でもそのような空気は残っているものの、現在では小学校の定期考査は基本的に廃止となり、さらに中学校においては2016年度より中学1年で「自由学期制」というものを導入し、定期考査を実施しない代わりに討論や実習といった体験型の授業を多く取り入れる教育を実施している。

ただ、学校教育における詰め込みや競争は緩和されつつある代わりに、個人や地域間の教育格差が広がるという新たな問題も起きている。私教育への投資が増え、ソウルの難関校にばかり人気が集中し、地方の大学では定員割れが起こっている。今後は教育格差の解消や、大学教育の質を維持していくことが課題となりそうである。

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またその一方で、長引く経済の低迷や就職難により、仮に難関大学を出て有名企業に就職できたからと言って、それで一生が安泰ではないという現実を見せつけられていることから、「大学に行くことだけが正しいのか?」「学歴よりもその後の生き方が大事ではないか」と感じている若者も増えている。

日本でも言えることだが、若者が学ぶことの意味や目標を持たずにただ「学歴」という縛りだけに囚われていては、いまの時代、その先の将来につながりづらい。進学やキャリアのあり方にもっと多様性や柔軟性が設けられ、若者の選択肢が広げられるようになってほしいものだ。