韓国では今年も11月18日に日本の大学入学共通テストにあたる「大学修学能力試験(通称・修能)」が行われた。遅刻しそうになった受験生をバイクの警官が試験会場で送り届けたり、釜山ではある試験会場で腕時計を忘れた女子生徒に受験生の激励に訪れていたパク・ヒョンジュン釜山市長が自身の腕時計を差し出した話が話題になるなど、国を挙げての一大イベントであるかのような光景が今年も各地で見られた。

「修能試験に人生のすべてを賭けている」かのような受験戦争が展開されるのが、学歴社会・韓国なのだ。実は芸能界においても、「学歴がモノを言う」という考え方がつい最近まで根強くあった

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学歴がモノをいう韓国芸能界

韓国の芸能人の学歴を見ると、その多くが大卒であることがわかる。韓流ブームの初期に「四天王」と称されたペ・ヨンジュン、チャン・ドンゴン、イ・ビョンホン、ウォンビンは皆大学に進学している。
女優のキム・ヒソンもかつて日本のファッション雑誌のインタビューの中で、「韓国でドラマの主演やCMの専属モデルを選考するにあたり学歴が重視される」という発言をしていた。

高学歴俳優で知られるイ・ビョンホン。最近話題になった『イカゲーム』でも流暢な英語を披露している〔PHOTO〕Getty Images

芸能人の大学進学は注目されるからこそ、ときに社会的な物議も醸す。1990年代後半から2000年前半にかけて活動をした女性グループ「S.E.S」のは、初めて日本に進出したアイドルと言われているが、そのメンバーの一人で最近では女優として活動し、人気ドラマ「ペントハウス」シリーズでメインキャストを務めるユジンの大学進学の過程に、ある問題が発覚し騒動となったのだ。

2000年に難関の高麗大学フランス文学科に入学したユジン。当時、日本でも女優の広末涼子が早大に入学した時期と重ねっていたことから、よく並べて韓国メディアで報道されていたが、2001年、帰国子女であるユジンが卒業した外国人学校が、韓国の大学入学を認める基準を満たしていなかったことが発覚する。一芸入試に相当する「特殊才能保有者試験」による合格であったこともあり、世間から大きな批判を浴び、入学許可が取り消される事態となってしまった。その後、ユジンはこれを不服として裁判にまで発展している(裁判では入学が認められる結果となったが、のちに芸能活動と学業の両立ができずに中退扱いになっている)

難関大学に入学するも、入学許可を取り消されそうになる騒動があった女優のユジン〔PHOTO〕Getty Images

ユジンの一件は、韓国の世論が芸能人や政治家・企業人の子息・子女の進学や兵役にまつわる忖度や不正に厳しいこと、そして、芸能人にとっても学歴が重要であることを改めて印象づけるものだった。