思い込みに支配をされたくない

アスリートとして37歳という年齢はマイナスなのではと決めつけて話す自分を恥ずかしく感じてしまうほど、竹内選手の言葉には説得力があった。どんなときも自分の感覚を信じてきたからこそ、言葉にブレがない。

「やっぱり脳が支配しているものって凄く大きいと思うんですね。思い込み。小さな頃から、この種目は日本人が通用しないだとか、この種目は10代のスポーツだとか、そういうふうに色んなものが物心つく時から植え付けられているというのはよくないと思っているので、やっぱり一番大切なのは固定観念ではなくて自分が何を経験したか。そして自分の五感が何を感じたかが大事じゃないかなと思ってます」

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たしかに、我が家の2歳と4歳の子供たちを見ていると、常に自分の世界観で生きている。できるかできないかではなく、やりたいかやりたくないかに常に主軸が置かれているように感じる。しかし私たちは大人になるにつれて、失敗しないよう、行動する前に頭で考え計算するようになる。もちろん生きていくのに必要な能力ではあるのだろうが、イコール人生を楽しむための能力ではない。世の中の「普通」や「常識」などの固定観念に囚われて、自分の可能性を狭めていることだってある。ある意味、竹内選手はそういう「自分がやりたい」「やってみよう」という純粋な子供心を失わずにいられたからこそ、自分の限界を決めずに突き進めているのだろう。

私にとってスノーボードは人生そのものだと思っています。スノーボードは私の人生の教科書。色んな所に連れて行ってくれて、色んなことを学ばせてもらえて、4年に一度あるオリンピックがテストみたいな感じだと思っています。良いことも、楽しいことも、苦しいことも、全てをセットで教えてくれたのがスノーボードでした。だからこそスポーツには力があると思うし、スポーツを通じて色んな勇気や希望をもらえるという言葉を耳にするのは、スポーツには人生のすべてが含まれているからじゃないかなと思います」

目前に迫った北京オリンピック。「第六感ですごくいいオリンピックになると感じている」と話す竹内選手。人生の教科書にある最後のページには、どんな結末が描かれるのか楽しみだ。

Photo by Getty Images